欧州委員会（European Commission）が現地時間24日、ノキア（Nokia）によるアルカテル・ルーセント（Alcatel-Lucent：以下、アルカテル）の買収計画を承認したことを発表した。

ノキアが今年4月に発表していたこの計画について、欧州委員会は「合併後の新会社のシェアが30%を超える市場が一部にあるものの、両社の事業で重複する部分は限定的」であり、また通信機器市場ではエリクソン（Ericsson）やファーウェイ（Huawei）に加え、サムスン（Samsung） やZTEなども頭角を現していることから、新会社の誕生で市場競争が阻害される可能性は少ないなどと承認の理由を説明しているという。

ノキアのアルカテル買収は2016年上半期に完了する見通しで、合併後の新会社は年間売上が約260億ドルと売上規模でエリクソンに続く2位になる見込み。また新会社は携帯通信機器関連の市場でシェア1位となるという。

ノキアは昨年以来、事業の選択と集中を進めている。昨年には携帯端末事業をマイクロソフト（Microsoft）に売却、また現在も地図事業「HERE」の売却を巡って、アウディ（Audi）、BWM、メルセデスベンツ（Mercedes Benz）などドイツの大手自動車メーカーと交渉を進めている。

【参照情報】
・Nokia Wins Approval for Alcatel Deal as EU Sees Samsung Rivalry - Bloomberg
・EU clears Nokia's acquisition of Alcatel-Lucent - Reuters
・Nokia's $16.6 billion acquisition of Alcatel-Lucent approved by
European Commission - The Verge