ニューヨークタイムズ（NYTimes）が米国時間20日、グーグル（Google）と協力しながら進めてきたVR（virtual reality）関連プロジェクトを発表。併せてVRコンテンツ視聴用の簡易ゴーグルキットを約100万人の新聞購読者に配布する計画も明らかにした。

ニューヨークタイムズは、この取り組みの一環としてグーグル製の段ボールでできたVRヘッドセットのキット（「Google Cardboard」）を11月7日に新聞購読者に配布。またコンテンツ視聴用のVRアプリを11月5日にリリースする予定。コンテンツの第一弾は移民問題を取り扱った「The Displaced」というもので、同社では年内にさらにふたつの記事をリリースする予定もあるという。

この話題に触れたNiemanLabによると、NYTimesの編集担当幹部はUploadVRという媒体に対して、この取り組みが「VR技術全般の展開に大きなインパクトを与えると思っている」「いまのところ専らゲーム用プラットフォームとしてみられているVR技術が、強力かつ正統的な報道の手段として使われるのを目にするのは興味深いこと」などとコメントしているという。

VR技術を利用した報道の取り組みとしては、エボラ熱の流行を扱ったドキュメンタリー番組「Frontline」のような先行例があるが、視聴用のヘッドセットまで含めて提供するのはニューヨークタイムズが初めてだという。

【参照情報】
・The Times Partners With Google on Virtual Reality Project - NYTimes
・What Is Google Cardboard, and Why Is the New York Times Embracing Virtual Reality? - Re/code
・The New York Times is sending out a million Google Cardboards to go with its upcoming VR films - NiemanLab