original image: © kazoka303030 - Fotolia.com
家電製品の電磁波放射パターンを利用したアクティビティ推測トラッカー
2015.10.23
Updated by Kenji Nobukuni on October 23, 2015, 12:01 pm JST
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2015.10.23
Updated by Kenji Nobukuni on October 23, 2015, 12:01 pm JST
手首などに装着するウェアラブル機器の中で、活動量計(アクティビティ・トラッカー)と呼ばれるものは、内蔵した加速度センサーなどで装着している人の腕の動きから歩数などを割り出して、消費カロリーなどに換算するものが多い。GPSによって地図上の位置を追跡(トラッキング)して、運動のために走ったルートなどを地図に表示してくれるものもあるが、実際にどこにいて何をやったかまでは、ライフログ用のカメラでも身につけて行動し、あとから分析でもしない限り分からない。
ワシントン大学のエンジニアたちが開発したMagnifiSenseは、ウェアラブルとしては少々大型だが、手首に装着するデバイスで、周囲の電磁界を計測する。これによって、電子レンジを使っているとか、ヘア・ドライヤーを使っているといったことが分かる。ガスコンロに点火すれば、料理をしているのだと「推測」することができる。
家電製品などはそれぞれ特有の電磁放射パターンを生み出している。MagnifiSenseは幅広い周波数を捉えるセンサーを使って、機器を構成するモーター、整流器、変調器などの生み出すパターンを識別することができる仕組みだ。
検出したパターンに信号処理と機械学習(マシンラーニング)を組み合わせて、部品の組合せがどの家電製品かが分かるようになるという。ただし、同時に複数の家電製品を使われると検出が難しいそうで、このままでは実生活を正確にトラッキングすることはできない。
しかし、さらに研究が進み、デバイスの小型化などが進めば、例えば一人暮らしの高齢者をカメラ以外の手段で「トラッキング」することもできるし、危険を予知してアラートを送ることもできる。一般の消費者も、自分のエネルギー消費行動を知って省エネに役立てることができるほか、スマート家電と連動してダイナミックに家電製品を制御できるようになるかもしれない。
【参照情報】
・New wearable technology can sense appliance use, help track carbon footprint
・MagnifiSense: Inferring Device Interaction using Wrist-Worn Passive Magneto-Inductive Sensors(論文)
※Intelligence Designerより転載(元の記事を読む)
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