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スマホを端末にするクラウド型PBXサービス「モバビジ」、フリービットが提供

2016.03.11

Updated by Naohisa Iwamoto on March 11, 2016, 06:43 am JST

フリービットは2016年3月10日、法人向けクラウド型PBXサービス「モバビジ」を提供すると発表した。スマートフォンを端末として使い、内線通話機能や企業の固定回線番号による発着信を可能にする。

クラウド型PBXは、電話の交換や内線機能の提供、保留転送といった機能を提供するPBXなどの音声設備をクラウド化し、移動体通信と固定通信を融合させたFMCサービスを実現するもの。コスト削減や利便性向上につながるものの、従来のクラウド型PBXサービスではインターネット電話相当の通話品質しか得られないという課題があった。フリービットでは音声通話に最適なネットワーク経路を確立できる「Emotion Link」などの独自技術やスマートフォンの端末内遅延を最小化する技術などを組み合わせ、品質を高めたクラウド型PBXサービスとして「モバビジ」を開発、提供に至った。

利用にあたっては、スマートフォンには専用のアプリ「モバビジ」をインストール。オフィス側ではNTT東日本/西日本のひかり電話を活用する。フリービットは自社のMVNO網とNTT東西のNGN(Next Generation Network)、インターネット経由のキャリアネットワークをクラウドPBXで接続してサービスを提供する。

メリットは大きく3つ。1つは、通話料金の削減で、モバビジのアプリをインストールしたスマートフォン相互の通話は内線通話として無料にでき、オフィスと外出先のスマートフォンとの連絡が頻繁にあるような企業ではコスト削減につながる。場所を問わずに固定電話番号を使って発着信できることで機会損失を減らせるほか、ひかり電話発の料金で外線通話が可能になることによるコスト削減も見込める。

2つ目はPBXをクラウド化することによる、設備や運用コストの削減。PBXの機器代金や保守、管理コストがかからなくなるほか、PBXの設置スペースの削減による効率化も実現できる。3つ目はBYODの推進。モバビジはキャリアやデバイスの種類を問わずに利用できるため、専用アプリケーションをインストールすることで社員の私物の端末を業務用途で活用できる。

まず、3月10日に「モバビジ(Android版)」を提供開始した。iPhoneやiPadで利用する「モバビジ(iOS版)」は4月以降の提供を予定している。

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。