米レコード協会（RIAA）が現地時間22日に明らかにしたところによると、2015年にはストリーミング配信サービスの売上がデジタルダウンロード販売のそれを初めて上回ったという。

米音楽産業の動向に関するRIAAの新たなレポートによると、2015年の米音楽市場の売上規模は約70億ドル（小売ベース）で前年比0.9%の微増。そのうち売上がもっとも大きかったのがストリーミング配信サービスで、金額では24億ドル、市場全体に占める割合は34.3%を記録したという。

いっぽう、ダウンロード販売はシングルが前年の12億回から10億回へ減少、またアルバムも1億900万コピーで前年比7％減少。さらにCDの販売枚数も前年の1億4200万枚から1億2200枚に減少したという。

ストリーミング配信サービスのなかでは、有料（課金）サービスからの売上が前年比52%増の12億ドルと全体の半分を占め、有料サービスに加入するユーザーの数は昨年末時点で約1300万人まで拡大。またスポティファイ（Spotify）やYouTubeの無料版、それにウェブラジオなど広告収入に依存するサービスが売上の残り半分を占めたという。

無料のストリーミング配信サービスやウェブラジオから権利保有者に支払われたロイヤルティは合わせて8億200万ドルで、前年の7億7300万ドルから増加したものの、オンデマンド型無料ストリーミングサービスからの収入は合わせて3億8500万ドル（前年比31％増）にとどまり、約1700万枚を販売したレコードの売上4億1600万ドルに届かなかったという。

【参照情報】
・Streaming music edged out digital downloads for the first time in 2015 - The Verge
・Recording Industry Reports Revenue Increase Due to Streaming - WSJ
・Apple's ITunes Overtaken by Streaming Music Services in Sales - Bloomberg