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EU-米国間の個人情報移転に関する新協定「EU-U.S. Privacy Shield」が発効
2016.07.13
Updated by WirelessWire News編集部 on July 13, 2016, 11:47 am JST
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2016.07.13
Updated by WirelessWire News編集部 on July 13, 2016, 11:47 am JST
EU(欧州連合)加盟国の国民のプライバシー保護に関して、EUと米国が「EU-US Privacy Shield」という新たな枠組みで合意していたことは既報の通りだが、この枠組みが米国時間12日に発効。グーグル(Google)やフェイスブック(Facebook)、マイクロソフト(Microsoft)などの米大手テクノロジー企業が8月1日からこの枠組みに従ってユーザーデータを利用できることになるという。
EU-米国間では従来「Safe Harbor」と呼ばれる枠組みが使われていたが、一昨年に米国家安全保障局(NSA)が行っていた広汎なデータ収集活動の実態が明らかになったことなどを受けて、昨年10月には欧州司法裁判所で「Safe Harbor」を無効とする判断が下されていた。
この「Safe Harbor」に代わる新たな枠組みとして策定されたのが今回発効した「EU-US Privacy Shield」で、そのなかには米企業が欧州ユーザーの個人情報を米国に移動することを認める条件として、米国よりも厳しい規準に沿った個人情報の取り扱いを義務づける内容などが含まれる。また、たとえば米国内にあるサーバーに保存された欧州ユーザーの個人情報を米国政府の監視・諜報活動に提供しないことや、米国側にオンブスマンを新設し、欧州ユーザーからのプライバシー流出に関する申し立てに対応することなども盛り込まれている。
この話題を採り上げたThe Verge記事には、「Privacy Shield」の内容ならびにその発効を前向きに評価するテクノロジー業界団体幹部の声とともに、内容の曖昧さなどを理由に実効性を疑問視する欧州の市民団体関係者の見方も紹介されている。
【参照情報】
・EU Approves ‘Privacy Shield’ Data-Transfer Pact With U.S. - WSJ
・EU-U.S. commercial data transfer pact enters into force - Reuters
・EU-US Privacy Shield agreement goes into effect - The Verge
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