capture image: City Transformer - Introduction(CT - City Transformer)
capture image: City Transformer - Introduction(CT - City Transformer)
イスラエルの「City Transformer社」(2013年設立)のコンセプトカーは長さ2.2m、幅1.6mという小さな車体で公道を走る電気自動車。エアバッグやエアコンなど、普通の車の装備はほぼ付いていて、車体の両側はショックを吸収するようになっているなど、安全面にも配慮した普通の電気自動車なのだが、車体の横幅を縮めることができるのが最大の特徴だ。
四輪車として道路を走行し、駐車するときは幅を1.0mまで縮めてバイク用などの狭い駐車スペースに停めることができる。シャーシ(車台)をたたむ技術について特許申請中。「ヤマハ」などが開発に協力している。
例えば週に5日、年間で240日程度、車を運転する人が、1日に平均5分、駐車スペース探しに時間を使っていると仮定すると、240日×5分で20時間。これを30年続けると、人生の25日分は駐車スペースを探していることになる。駐車できる場所と本当の目的地が少し離れていることもあるから、歩いて移動する時間も足せば、もっと長い時間を空費しているかも知れない。
同社は、カーシェアリングでの活用を念頭に置いているようだ。シティ・トランスフォーマーの名前には、おそらく「都市を変容させること」つまりこの電気自動車の普及で人々の移動を変えたい、という思いが込められているのではないだろうか。
多くの人がこの車をシェアして、必要な時に必要なだけ移動して、使わない時には駐車のためのスペースが狭くて済むといった未来像である。もちろん、車が形を変えるといえば、日本の変形ロボット玩具、トランスフォーマー(ハリウッド映画もシリーズ化され大ヒット)を意識していることは間違いない。
City Transformerは、幅が狭いモードのままでも走行が可能だそうで、もしかすると渋滞中にはバイクのように普通車や大型車の間を縫ってスイスイと走ることができるのかも知れない。発売開始は2018年の後半で、価格は15,000ドル以下となる見込み。
ちなみにイスラエルの別のスタートアップ「Green Ride」が、「INAU」という折りたためる電気スクーターを2015年に発表している。たためばキャリーバッグのようになり、電池は車輪の中に収納されていて、円弧を使った美しいデザインの車体の円弧部分を伸縮に利用している。
渋滞といえば、Googleに買収されたイスラエルの「Waze」も渋滞などの交通情報をコミュニティでシェアするというもの。イスラエルでは、交通渋滞が人々の大きな関心事であることがうかがわれる。
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