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糸のように柔らかい半導体「ファイバーチップ」、復旦大が開発

糸のように柔らかい半導体「ファイバーチップ」、復旦大が開発

February 11, 2026

中村 航 wataru_nakamura

1985年生まれ。福岡県福岡市出身。翻訳者。テクノロジーやファッション、伝統工芸、通信、ゲームなどの分野の翻訳・校正に携わる。WirelessWire Newsでは、主に5G、セキュリティ、DXなどの話題に関連する海外ニュースの収集や記事執筆を担当。趣味は海外旅行とボードゲーム。最近はMリーグとAmong Usに熱中。

中国・復旦大学の研究チームが先ごろ、糸のように細く柔軟な「ファイバーチップ」と呼ばれる半導体技術を開発した。英科学誌『Nature』に掲載されたこの技術は、将来のスマート衣類や高性能ブレイン・コンピュータ・インターフェース(BCI、脳と機械をつなぐ技術)などに応用できる可能性がある。

従来の半導体チップは硬く平らな形状のため、曲げたり伸ばしたりする用途には不向きで、柔らかい布や手袋などの中に組み込むことは困難であった。そこで、研究チームは、まず薄いシート状の半導体回路を作製し、それを柔軟な高分子材料で包み込むようにして、一本の繊維の中に取り込む手法を考案した。その結果、計算処理やデータ保持、信号制御といった機能を備えた集積回路を髪の毛よりも細い一本の柔軟な高分子繊維の中に組み込むことに成功した。このファイバーチップは繰り返し曲げても壊れにくく、圧力にも耐える性能を示したという。

この研究を率いたPeng Huisheng教授は「人体は柔らかい組織でできているため、将来のブレイン・コンピュータ・インターフェースなどには、柔軟で体に馴染む電子システムが不可欠だ」と述べている。こうした柔らかいチップは、従来の技術では難しかった布そのものでデータ処理するウェアラブル機器や、触覚をリアルに感じられるVR用のグローブなどへの応用が期待されている。
(中村 航/翻訳家)

参照
Fibre integrated circuits by a multilayered spiral architecture | Nature
China Focus: Computing power woven into hair-thin fibers, paving way for smart clothes, brain implants-Xinhua
‘Fiber chip’ could be a boon for healthcare – Chinadaily.com.cn

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