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WiMAX陣営大手の露ヨタがLTEに方針転換 - 2010年中に提供へ

2010.05.24

Updated by WirelessWire News編集部 on May 24, 2010, 11:29 am JST

ロシアのモバイルブロードバンド事業者ヨタ(Yota)が5月21日(現地時間)、これまで商用展開していたWiMAXに見切りを付け、LTEに転換すると発表した。同社はWiMAX事業者としては大手の1社であり、この方針変換は世界のWiMAX推進派にとって大きな逆風となる。

Yota
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ヨタは、2008年から2010年2月までにWiMAX用基地局4500基以上を設置し(サービス提供は2009年6月)、現時点でモスクワ、サンクトペテルブルク、ウファ、ソチ、クラスノダールの5都市でWiMAXを展開中で、利用者数は35万50万に達していた模様。

同社はロシア国内180都市にWiMAXのサービスエリアを拡大する計画を打ち出していたほか、ニカラグア、ベラルーシ、ペルーなどで周波数を獲得し、試験サービスに着手するなど、ラテンアメリカ、CIS、アジアおよびアフリカを含む世界中で、Mobile WiMAXサービスの提供を目指していた。また、日本のUQコミュニケーションズとも2009年9月にWiMAXの国際ローミングについて覚書を締結していた。

ヨタは今後1億ドルを投じて、2010年中にロシア5都市でLTEをスタートさせる。またその後にサービス提供エリアを15都市に拡大する計画で、投資額はあわせて20億ドルに達するとのこと。

WiMAX推進グループの中核にいる米インテル(Intel)も状況の変化に対応している。ドイツの経済紙が報じたところでは、インテルは独チップメーカーのインフィニオン(Infineon)からワイヤレス部門を買収することを検討しており、この買収を通じてLTEその他のワイヤレス技術へアクセスしようとしているという。

【参照情報】
CORRECTED - Russia's Yota picks LTE over WiMax for expansion(Reuters)
Infineon, Intel in talks over mobile unit: report (Reuters)
サムスン電子とYOTA ロシア全土においてMobile WiMAX 展開を加速(サムスン プレスリリース)
米国ならびにロシアのWiMAX事業者との国際ローミングに関する覚書締結について (UQコミュニケーションズ プレスリリース)
ニカラグアで4G・WiMAX試験運用  ロシアのヨタ社(ヨタ プレスリリース)
Yota -- 4G Internet of the newest generation

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