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イスラエルのEmblaze社、First ELSEの開発中止を発表

2010.07.05

Updated by WirelessWire News編集部 on July 5, 2010, 01:00 am JST

アップル(Apple)の iPhone 4の電波問題やマイクロソフト(Microsoft)のKIN終了といった話題の影で、イスラエルのEmblaze社が、子会社のELSE社(旧Emblaze Mobile)で進めていたスマートフォン・ハードウェア開発事業からの撤退を明らかにした。

ELSE社は日本のACCESS社と共同でELSE INTUITIONというモバイルプラットフォームを開発。このプラットフォームが動作する「モノリス(Monolith)」というコード名の製品を開発していたが、これが2009年11月にFirst ELSEと命名され発表された(正式デビューは2010年2月のMobile World Congress)。

First ELSEは、映画「2001年宇宙の旅」に登場する黒石板のモノリスのように黒い筐体で、片手のみで操作できること(片手UI(one-hand UI))が大きな特徴だった。右手でこのスマートフォンを掴む場合には、前面タッチパネルの右側から操作メニューが放射状に表示され、画面上のジョグダイヤルのように親指で操作することができる。First ELSEのプロモーションビデオは、同製品の機能などについてはほとんど情報がないが、映像としてはとてもクールだと評判だったようだ。

Emblaze社の公式発表によれば、撤退の理由は「ELSE社の資金調達の遅れにより、事業化の予定が大幅に遅延しているいまだに販売パートナーとの適切な条件での契約締結がなされておらず、予定が大幅に遅延している」こと。今後は、ELSE INTUITIONへのライセンス供与事業に特化する方針だ。

ACCESSは、2005年にはPalmSourceを買収したが、その後NECやモトローラ(Motorola)が設立したリモ・ファウンデーション(LiMo Foundation)のコアメンバーにもなっている。このLinuxベースのモバイル向けプラットフォームで一定の橋頭保を築こうと長年努力している訳だが、方針転換を余儀なくされた格好だ。同社はEmblaze社の決定をを受け、7月2日付で、ELSE INTUITIONのライセンスビジネスへの注力とALP(ACCESS Linux Platform)開発に係るリソース削減を発表している。なお、ELSEの製造パートナーであるシャープの動きは現段階では不明な模様。

iPhoneやAndroidのマルチタッチでは、右利きの人の場合は左手で筐体を保持し、右手の指で画面を操作する。車社会のアメリカと違い、電車通勤者の多い国では電車の中でスマートフォンを使うことが当然想定される。その場合、片手操作が歓迎されるはずであり、ELSE社の「モノリス」プロジェクトにはACCESS、シャープのほか、技術パートナーとしてサムスン(Samsung)、エリクソン(Ericsson)、テキサス・インスツルメンツ(TI)らと共に三洋電機、パナソニック、パイオニアといった日本企業が名を連ねていた。

※7/5 2:00AM 撤退理由について、訂正いたしました。

【参照情報】
Apple, Microsoft and ELSE suffer major setbacks
ACCESSとEmblaze Mobile、携帯向けプラットフォーム「ELSE INTUITION」発表
Monolith Project(Emblaze Mobile社)
Emblaze Ltd (LSE:BLZ) TRADING UPDATE -Interactive Investor
ACCESS Linux PlatformTM(ALP)ビジネスの状況および当社子会社における人員削減に関するお知らせ(ACCESS 7/2付ニュースリリース)

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