WirelessWire News The Technology and Ecosystem of the IoT.

by Category

「アプリ開発者支援とアジア向け低価格端末に重点」 - グーグルのAndroid責任者が明かす

2010.07.02

Updated by WirelessWire News編集部 on July 2, 2010, 17:16 pm UTC

201007021716-1.jpg

(cc) Image by Jan Tik

世界のスマートフォン市場で急激にシェアを伸ばすグーグル(Google)のAndroid。1日あたりのアクティベーション数が5月の約10万台から、6月には約16万台にまで増えていると先日お伝えしたばかりだが、6月末にモバイル広告ネットワークのアドモブ(AdMob)が発表した報告でも、2010年5月にはスマートフォン向けOS別の世界シェアですでに26%を押さえ、ノキア(Nokia)などが押すSymbian(シェア 24%)を抜いて、アップル(Apple)のiOS(シェア 40%)に続く第2位となっている。

ただし、すでに累計5000万台超を出荷したiPhoneに加え、iPadやiPhone touchも揃えるiOS陣営に比べれば、端末の台数で2〜3倍の開きがある(米市場でほぼ2対1、世界ではほぼ3.5対1)。また市場別の比重でも米国市場の割合が半分以下であるiOSに対し、Android OSは約7割を米国に依存している。さらに、ユーザーの有料アプリダウンロード回数についても、AndroidはiPhoneの半分以下にとどまっている。

こうした状況を受けてかどうかは定かでないが、グーグルのアンディ・ルービン(Andy Rubin)がBloombergとのインタビューのなかで、今後の重点として「アプリ開発者へのツール提供」と「アジアの新興市場」への取り組みを挙げている。

前者については、主にiOSを意識したもので、具体的にはアプリ内課金の仕組みなどを想定しているようだ。対応アプリの数ではすでに20万種類以上があるiOSに対し、Androidアプリは約6万5000強と約3分の1。また英フューチャーソース・コンサルティング(Futuresource Consulting)の予測によると、今年のモバイルアプリの売上44億ドルのうち、アップルのAppStore経由でダウンロードされるものが77パーセントを占めそうだという。さらにAdMobを買収したグーグルにとって、このアプリの充実が広告在庫の量にも直結する重要な事項であるのはあきらかだ。

後者の新興市場への取り組みに対しては、主にノキアを意識したものとなるが、いくつか興味深い名前が挙がっている。具体的には、中国ファーウェイ、韓国LG電子、そして台湾のチップメーカー、メディアテック(MediaTek)だ。いまのところ通信機器メーカーとしてのほうが有名なファーウェイは、今年2月に中国市場向けに4種類のAndroid携帯と1種類のAndroid搭載タブレットを発表。また端末販売台数で世界3位のLGは新興市場に強い。

MediaTekは、アジア、アフリカ、南米などの各市場向けにつくられる低価格携帯端末用のチップメーカーだが、同社のチップを採用するスマートフォンは通信事業者への出し値が最低70ドル程度まで下がる可能性があるという(ガートナーのアナリスト談)。これほどの低コストで入手できるようになれば、Android OSを搭載した端末を(とくにインドや中国などの市場で)無料で配布する通信事業者も増えることになり、その影響をもっとも大きく受けるのがノキアになりそうだとガートナーのアナリストはコメントしている。ちなみに、2010年1-3月期のOS別スマートフォンシェアは、Symbian (41%)、iOS(16%)、Android(10%)だったという(米ABIリサーチ調べ)。

現在米国市場では、モトローラ「Droid X」、サムスン「Galaxy S」、HTC「Evo 4G」など毎月のように最新のAndroid搭載端末が発表されているが、New York Timesの名物コラムニスト、デイビッド・ポーグ(David Pogue)のレビューなどを読むと、いずれも高性能さを争う、技術に明るい所謂「アーリーアダプター」向けの製品のような印象を受ける。こうしたものとは別の流れー低価格ゆえに機能も限られるけれども、その分使いこなしも簡単な端末が大きな流れとなって新興市場を中心に普及していけば、ガートナーの予測通り、2012年までにAndroid端末の数がiOS端末の数を上回ることもあり得るのかもしれない。ただし、既報の通り、インドではやっと3G周波数帯の割り当てが終わり、通信事業者各社のネットワークづくりはこれからと段階にあることから、グーグルの取り組みが結実するまでには今しばらく時間が必要となりそうだ。

【参照情報】
Google to Push Android Deeper into Asia - Bloomberg Businessweek
iOS and Android Continue to Battle for Supremacy [STATS] - Mashable
Big Phone, Big Screen, Big Pleasure - New York Times
サムスンのAndroid搭載スマートフォン"Galaxy S"、米大手4社から発売へ
米ベライゾン、最新Android端末「DROID X」を7月15日に発売、Android 2.2へアップデートを予定
インドの3Gサービス、年内にも提供へ - 300ドルのスマートフォンも登場

WirelessWire Weekly

おすすめ記事と編集部のお知らせをお送りします。(毎週月曜日配信)

登録はこちら