WirelessWire News Philosophy of Safety and Security

by Category

シンガポール、フィリピン、タイの3G周波数事情

2010.07.27

Updated by WirelessWire News編集部 on July 27, 2010, 12:00 pm JST

2010年春には、インドの3G周波数オークションの過熱が話題になったが、東南アジア地域でも3G周波数の割り当てをめぐるさまざまな動きがある。

シンガポール

201007271200-1.jpg

(cc) Image by Shiny Things

シンガポールで3G周波数の割り当てについて議論が起こっている。同国は2001年に4社に割り当てるつもりでオークションを実施したが3社しか周波数を獲得しなかった。落札したのはSingTel、MobileOne Asia (M1)、StarHubの3社で、それぞれ1億シンガポールドル(1シンガポールドル=63.85円換算では68億8500万円)を支払った。規制当局であるシンガポール情報通信開発局(IDA(Infocomm Development Authority of Singapore))は残った1枠をオークションにかけるべく、今年の3月から公の協議を開始した。

予定ではオークションは9月から10月にかけて実施され、11月には決定することになる。既存3社は、オークションを実施すると通信キャリアの財務が悪化し、結果的には通信料金に跳ね返って、消費者に高い料金負担を強いることになるから、オークション方式ではなく、政府が既存3社に3スロットを公平に割り振るよう求めているようだ。これに対してIDA側は、4社目を新規参入と見込んでいるらしく、競争の促進によって消費者の利益は損なわれないという立場とのこと。

IDAによれば、同国内690万携帯加入者の半数が3Gを使っており、2008年9月からの1年間で3G加入者は25%増加し、3.5G(HSPA)は240%も増えた。

===

フィリピン

201007271200-2.jpg

(cc) Image by Bar Fabella

フィリピンでは2005年に3Gライセンスが4社に交付された。監督官庁である国家電気通信委員会(National Telecommunications Commission(NTC))は、周波数帯を1つ残したまま、Smart Communications、Global Telecom、Digital(Sun Cellular)、Cure(Connectivity Unlimited Resources Enterprises)の4社に「ビューティーコンテスト」方式で周波数を割り当てた。

ビューティーコンテスト方式とは、提出された事業計画書の審査により、事業を健全に運営できると当局が見なした事業者に電波を割り当てる制度で、日本もこの方式である。だが、Cure社は十分な設備投資を行うことができず、ライセンスを競合のSmart社に売却してしまった。

今年3月、NTCは残っていた1周波数の割り当てに新たな格付けシステムを導入して、どの事業者が割り当てに相応しいかを決めると言い出し、実質的にはオークション方式の導入を決めた。周波数利用料を少なくとも6500万ペソ(1ペソ=1.88円換算では1億2220万円)、事業開始から市場参入にかかった2年間分のコストの30%に相当する契約履行保証(performance bond)(最低額は10億ペソ(約18億8000万円))を5年に渡って支払うことが求められている。

当然のように既存および新規参入を目指す多くの事業者からこの新しい認可方式について、さまざまな訴えが裁判所に提出されている。例えば5年前に新規参入が成らなかったBayan TelecommunicationsやExtelcom(Express Telecommunications)の訴えを裁判所は支持する判断を下し、新しいルールの適用をやめるようNTCに求めているが、NTC側も法廷での反撃を試みているという。

フィリピンでは3G利用者は4から6%程度と低く、新たなルールと新たな競争の導入は既存ならびに新規参入する事業者の財務を圧迫し、結果的に消費者に負担を強いるという指摘もあるようだ。

===

タイ

201007271200-3.jpg

(cc) Image by eric molina

3G周波数免許の交付が遅れていたタイでは、今月に入って、タイ政府がついにライセンスの入札を開始するという観測が広まっているとのこと。

同国では、2.1GHz帯の割り当てが遅れている間に、AIS等の民間通信事業者が既存の900MHz帯などで3Gサービスを開始していた。また、タイ国営通信(TOT)が2009年12月から1.9GHz帯での3Gサービスを開始したが、2010年3月末現在の加入者は10万件と目標を大きく下回っている模様だ。ライセンスの入札が実現すれば、モバイル通信市場が一気に拡大すると期待されている。

【参照情報】
IDA to auction unused 3G spectrum - TeleGeography
S'pore to auction remaining 3G spectrum - ZDnet
Singapore's operators plead: 'don't make us bid' for more 3G spectrum - TelecomTV
Messy battle for last 3G license in Philippines - ZDnet
Philippines opens bid for final 3G license - ZDnet
タイでようやく3G免許付与の動きが本格化 - ITpro
AIS proposes 900MHz 3G (Thailand) - Wireless federation
タイ国営TOTの3G、契約者10万件 目標の5分の1 - newsclip.be
バンコク市場が通信株主導で上昇 - ロイター

WirelessWire Weekly

おすすめ記事と編集部のお知らせをお送りします。(毎週月曜日配信)

登録はこちら