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シスコシステムズ、動画配信サービス分野をさらに強化 - CMS企業を買収へ

2010.08.27

Updated by WirelessWire News編集部 on August 27, 2010, 09:57 am JST

ExtendMedia
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米シスコシステムズ(Cisco Systems:以下、シスコ)は現地時間26日、大手通信事業者向けに動画の管理・配信用システムを提供するエクステンドメディア(ExtendMedia)を買収すると発表した。この買収により、シスコはケーブルテレビや衛星テレビの視聴者がインターネット経由で好きなときに、どこからでも番組を視聴できるようにする"TV Everywhere"の実現に向けた取り組みを一段と強化することになる。

米マサチューセッツ州に本社を置くエクステンドメディアはAT&T、BCE(ベル・カナダ)といった通信事業者に対して、マルチメディア・コンテンツの管理・配信システムを提供している。シスコは、自社が提供するIPコミュニケーション関連製品にExtendMediaのコンテンツ・マネジメント・システム(CMS)を組み込むことで、テレビやPC、スマートフォン、iPadのようなタブレット端末など、さまざまな端末への動画配信を狙いたい通信事業者に対するサービスを強化していく。なお、今回発表された買収は年内に完了する見通しという。

「いつでも、どの端末からでも動画にアクセスしたい利用者の期待は高まっている。サービスプロバイダーがその期待にこたえようとするなか、市場の需要はIP動画サービスにシフトしてきている。」とシスコのSPVTG(Service Provider Video Technology Group)部門責任者はコメントしている。

シスコは昨年、マルチプラットフォームのインデクシング・配信を手がけるデジタルスミス(Disitalsmith)にも投資している。また、エクステンドメディアの受け入れ先となるSPVTG部門には、今年5月にマイクロソフトでテレビ部門担当副社長を務めていたエンリケ・ロドリゲス(Enrique Rodriguez)氏を迎え入れて、この分野の強化を図ってきている。

視聴者が好きなときに、どこからでも番組を視聴できるようにする"TV Everywhere"の実現に向けた取り組みは、コムキャスト(Comcast)のようなケーブル事業者、ベライゾン(Verizon Communications)のような電話会社、さらにディッシュ・ネットワーク(Dish Network)のような衛星テレビ事業者でも打ち出してきており、シスコにとっては今後の需要拡大が期待できる分野の一つ。

いっぽう、IPベースの動画管理・配信サービスの分野には、ブライトコーブ(Brightcove)、ライムライト・ネットワーク(Limelight Network)、そしてコムキャスト傘下のザプラットフォーム(thePlatform)などの競合社があるが、市場の成長に伴って人材や資金などの豊富なリソースが求められることから、さらなる買収や合併が予想されると、Light Reading Cableの記事は指摘している。

【参照情報】
Cisco Buys Into TV Everywhere (Again) - Light Reading Cable

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