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プリペイド料金で"ジェネレーションY"を狙うクリアワイヤー

2010.08.31

Updated by WirelessWire News編集部 on August 31, 2010, 11:30 am JST

Rover
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米クリアワイヤー(Clearwire)(本社:ワシントン州Kirkland)は8月30日(現地時間)、ジェネレーションYのrover(自由に歩き回る人)をターゲットに、WiMAXサービスの新ブランドRoverを投入する。

1日5ドル(1ドル=84.59円換算では約423円)、1週間なら20ドル(約1,092円)、1ヶ月で50ドル(4,230円)のプリペイドプランで、データ通信は使い放題。利用者は別途、パック(Puck:アイスホッケーのパック)と呼ばれる円筒形のポータブルWi-Fiルーターを149.99ドル(約12,688円)で、あるいは、スティック(Stick:棒)というUSBモデムを99.99ドル(約5,458円)で購入する必要がある。2年縛りのような契約は不要。サービスエリアは同社WiMAXの49市場で、Sprintの3Gとのローミングは提供されない。

同社プレスリリースには、"Instant Gratification to the Internet Addicted"(直訳すると「インターネット中毒がその場で得られる喜び」)というタイトルがつけられていて、初めて自分の支出でインターネット・アクセスを手に入れようという若者がターゲットとなっている。ジェネレーションYは、一般には団塊ジュニアで、21歳くらいから35歳くらいまでの層を指すが、クリアワイヤーの主要ターゲットは18歳から24歳とのことだ。

このところ米国では、プリペイド式のプランの投入が相次いでいる。ベライゾン・ワイヤレス(Verizon Wireless)は8月初旬から月額80ドル(約6,767円)のプランを出したり、音声込みで99ドル(約8,374円)のプランをテストしたりしている。スプリント・ネクステル(Sprint Nextel)は傘下のバージン(Virgin Mobile USA)で40ドル(約3,384円)の使い放題プランを出したばかりだ。また、9月にはラスベガスとダラスで、MetroPCSCommunicationがLTEの商用サービスを開始すると言われており、こちらもプリペイド・モデルになるとされている。

米国の通信事業者各社は、料金プランによるセグメンテーションと自社ポジショニングについてさまざまな取り組みを行っている。料金プランのパラメータには、

  • 一定期間の料金収入が確実な長期契約タイプか、手軽に利用できるプリペイドか
  • 使い放題をアピールするか、上限ありで価格を抑えるか
  • 音声やテキストをバンドルするか、データのみか

といった基本方針の選択に加えて、速度やデータ容量、カバレッジなど、さまざまな組み合わせが考えられる。各社ともに、自社傘下の複数のブランドを駆使して、料金プランについて今後も試行錯誤を重ねていくものと思われる。

【参照情報】
Clearwire Introduces Rover: Instant Gratification to the Internet Addicted (ニュースリリース)
Clearwire Unveils 4G Prepaid Mobile Service (WSJ.com)
Clearwire Launches Rover Prepaid Brand (PCWorld)
Prepaid Wireless Broadband: Sprint $40, Verizon $80 (InformationWeek)
99ドル定額制をフィールドテスト中のベライゾン。バージンは40ドルのモバイルBB

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