8月23日、日本通信は、SIMフリー版iPhone 4向けマイクロSIM「talking b-micro SIM プラチナサービス」（以下プラチナサービス）およびデータ通信用マイクロSIMカード「b-microSIM U300」を発表した。これらは、8月6日に行われた、同社の2011年度3月期第1四半期決算説明会で予告されていたもの（※参考記事）。

プラチナサービスの月額利用料は6260円で、1050円分の無料通話が付属する。定額料金内で、USBもしくはBluetoothでパソコンなどを接続したテザリングも可能だが、テザリング利用時にはU300相当の通信速度（最大速度300kbps超）となる。SIMフリーのiPhoneにNTTドコモのSIMを利用してテザリングを使用した場合と比較すると、データ通信料金はおよそ半額となる計算だ。通話料金については30秒21円で、他キャリアと横並びとなる。

▼NTTドコモとの料金比較（新製品発表会資料を参考に編集部作成）

プラチナサービスは「思い切り快適にiPhone 4を使いたい」をコンセプトにしたデータ通信サービスが特徴。同社代表取締役専務兼COOの福田尚久氏によれば、8月6日の時点では、データ通信についてはU300程度を前提に、価格も3785円を予定していたが、発表後に寄せられた意見を参考に商品コンセプトを見直し、価格設定も変更した。

U300のような一律の帯域制限は行わず、「帯域を大きく確保しすぎても、現実にはスマートフォンそのものの処理能力の限界がある」（福田氏）という考え方で、iPhone 4で、アプリケーションごとに最適化された帯域や応答速度を見極めて確保し、「iPhone快適通信を実現する」（福田氏）とする。そのため、このマイクロSIMを他の端末で利用した場合は、快適な通信を行うことはできない。

また、周波数は800MHz帯と2GHz帯の両方に対応し、ドコモのFOMAネットワークと同等のエリアをカバーする。「ドコモのネットワークは、3Gだけで7兆円を投資していると聞いている。世界で一番素晴らしいネットワークでiPhone 4を使うとこんなにいい、ということを体感していただきたい」と福田氏は述べた。なお、一人で大量のデータ通信を行うヘビーユーザー対策としては、NTTドコモなどが行っているものと同等の帯域制限を実施する予定となっている。

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発表会の席上、同社の三田聖二社長は携帯電話の購入プロセスの変化を指摘し、「これからは、ユーザーがアプリケーションや端末を選んでから、そのために最適な回線を選ぶようになる」と述べ、プラチナサービスは、iPhone 4を選びたいユーザーに対して、「iPhone用に最適な回線」を提供するサービスであると説明した。

また「iPhone 4の輸入販売を日本通信で行う予定はあるか」という質問に対し、三田社長は「自社で輸入する予定はないが、8月6日の発表以降、販売店や輸入事業者から多数の問い合わせがきており、多くの方が新しいビジネスチャンスとして検討されるのではないか」と回答し、プラチナサービスの提供開始により、国内でもSIMフリー版iPhone 4の流通が促進されるという見通しを述べた。なお、海外から輸入したSIMフリー版iPhone 4のサポートは、日本のAppleストアで対応されるとのことだ。

プラチナサービスの提供は8月26日から。優先リザーブメール登録者から順次案内メールを発行し、同社Web上の手続きで本人確認の後、マイクロSIMを出荷する。支払いは当面、クレジットカードのみで、同社Webサイトから登録する。一般向けの受付開始は優先リザ－ブメール登録者への案内終了後となる。

また、プラチナサービスの一般向け受付開始と同時に、b-micro SIM U300の店頭販売を開始する。時期について、福田氏は「はっきりとは言えない」としながらも、おそらく9月初旬から中旬頃になるとの見通しを示した。b-micro SIM U300の価格は、1ヶ月2,980円、6ヶ月パッケージ14,900円、12ヶ月パッケージ29,800円となっており、すでに発売済みのb-mobile SIM U300と全く同じとなる。

【報道発表資料】
・日本通信、ドコモ網でiPhone 4を快適に使えるマイクロSIMを発表（日本通信株式会社）