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なぜスマートフォンはどれも199ドルなのか - 米キャリア各社が同じ値段を付ける理由

2010.09.03

Updated by WirelessWire News編集部 on September 3, 2010, 10:51 am JST

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(cc) Image by opusbei

米国市場では新しく出されるスマートフォンの多くに199ドルという値段がつけられているが、なぜいづれも同じ値段なのかという理由について分析した記事がCNN Money.comに掲載されている。

同記事によると、現在4大キャリア(ベライゾン・ワイアレス、AT&T、スプリント・ネクステル、TモバイルUSA)からは、2年契約を条件に本体価格199ドルで販売されているスマートフォンが13機種あるという。発売から比較的時間の経過したモデルや機能がシンプルな機種のなかには149ドルや99ドルの値札がついているものもあるが、価格の点でいうと199ドルで売られているものが現時点では一番多い。

この価格設定は、必ずしも各機種の性能や人気を反映するものではない。アップル(Apple)の最新モデルであるiPhone 4も199ドルなら、リサーチ・イン・モーション(Research In Motion:RIM)のBlackberry Bold 9700 - 発売から9ヶ月が経過したタッチスクリーン機能がない端末や、もはや時代遅れの感もあるマイクロソフト(Microsoft)のWindows Mobile 6.5を搭載したHTCのTilt2も、同じく199ドルで販売されている。

こうした一見不可思議な価格設定がなされている理由のひとつとして、CNN Money.comの記事ではスマートフォンの製造コストの高騰を挙げている。

携帯キャリア各社は、だいたい500ドル前後のコストで端末メーカーからスマートフォンを仕入れている。これに通信網の構築・維持などサービス提供にかかるコストまで含めて考えると、キャリアの負担は決して軽くはない。スマートフォンを販売した時点では、キャリアが赤字を背負う場合もめずらしくはない。古いモデルでも価格を下げにくいのはそのためだという。

ただし、スマートフォンユーザーをいったん獲得できれば、通常の音声通信料に加えて、月々30ドル程度のデータ通信料を上乗せでき、ARPUを引き上げることが可能になる。また2年契約の条件を課すことで、他社への乗り換えを抑える効果もある。そこで、端末の価格を原価以下まで引き下げて(キャリアが差額を補填)、その分を通信料で回収するという、日本ではかなり前から行われてきたやり方が主流になってきたという。

ちなみに、同記事には「2007年に初代のiPhoneが発売されるまでは、端末のコストがより安価であったため、キャリア各社に与えられた価格設定に関する裁量の余地がより大きかった。そのため、端末の価格にもいまより幅があった(もっといろいろな値段の端末が出されていた)」とある。

また別の理由として、キャリア側では、自社が扱うほぼ同じ価格帯の各端末に、それぞれ(原価を反映させた)異なる価格を付けてしまうと、ユーザーに対して「Aの機種よりもBの機種のほうが良い(もしくは、良くない)のではないか」との印象を与えてしまいかねないという懸念があり、それを避けるためにも同じ価格帯の端末には一律で199ドルという値段を付けている、という指摘もみられる。

さらに、新たなスマートフォンが次々と市場に投入されるなかで、より高機能なそれらの最新機種を古い機種と同じ価格で販売すれば、ユーザーの目には最新機種のほうがより「お買い得」に映り、結果としてこれまでふつうの携帯電話を使っていたユーザーのスマートフォンへの乗り換えを促進することができるという点も指摘されている。

【参照情報】
Why all smartphones are $199 - CNNMoney.com

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