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MIL規格準拠のタフネス端末から無線LANアダプタまで登場した、KDDIの新モデル発表会

2010.10.19

Updated by WirelessWire News編集部 on October 19, 2010, 13:30 pm JST

10月18日に行われたKDDIの2010年秋冬モデル-2011年春モデル発表会では、スマートフォン以外にもさまざまな端末が紹介されている。また、モバイル無線LANルーターの新製品やフィーチャーフォンに装着してテザリングを可能にするアダプタ、従来に比べ最大3倍の通信速度を実現する「WIN HIGH SPEED」など、多様化するモバイルWi-Fi機器に対応した端末やサービスも投入する。

フィーチャーフォン全17機種のうち、2機種がiidaモデル

KDDIは、2010年度の秋冬および春商戦モデルとして、auスマートフォン「IS series」に属する4機種以外に、フィーチャーフォン(従来型ケータイ)を17機種投入する。このうち「X-RAY」と「G11」の2機種は「iida」ブランドの新モデルで、デザイナーとのコラボレーションによるデザイン性の高い端末が用意される。iidaの2機種を除き、フィーチャーフォン全機種が防水機能に対応する。

この中で、タフネス性能を追求した「G'zOne」シリーズの最新モデル、カシオ計算機製「G'zOne TYPE‐X」は、IPX5/IPX8の防水機能 と IP5Xの防塵機能のほか、アメリカ国防総省が制定したMIL規格に準拠する耐衝撃性能を併せもつ。1,240mAhの大容量バッテリーを装備することで、電池の持ちを従来モデルの「G'zOneCA002」と比較して約1.5倍に向上させたという。

カメラ機能を充実させたラインアップとしては、有効画素数1316万画素のCMOSカメラを搭載し、ハイビジョンムービー撮影機能を備える「EXILIMケータイ CA006」、5倍デジタルズーム対応の1410万画素CCDカメラを搭載する「AQUOS SHOT SH010」、世界初 となる1620万画素カメラを搭載し、ソニー製裏面照射型CMOSセンサー「Exmor R (エクスモア アール)」を備える「Cyber-shot ケータイ S006」の3機種を揃えた。

▼iidaモデルの2機種を含み、フィーチャーフォン全17機種をラインアップ。
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電子ブックリーダーやタブレット型インターネット端末も投入

KDDIはこのほか、特定の利用シチュエーションに向けた2機種の端末も発表している。台湾Foxconn製の電子ブックリーダー「biblio Leaf SP02」と、サムスン電子製のタブレット型インターネット端末「SMT-i9100」がそれだ。

biblio Leaf SP02は、電子書籍のダウンロード、保存、閲覧のための専用端末。約2ギガの本体メモリーを内蔵しており、これに約2.000冊の書籍を保存できるという。約6.0インチのディスプレイに電子ペーパーを採用することで、電力消費を抑えるとともに視野角を広げ、直射日光の下でも見やすい視認性を確保している。

また、ディスプレイの下部にはソーラーパネルを搭載し、1回の充電で、約25冊(7500ページ相当)の読書が可能になるという。通信機能は3Gのほか、Wi-Fi(IEEE802.11b/n/g)にも対応する。

▼台湾・Foxconn製の電子ブックリーダー「biblio Leaf SP02」。
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biblio Leaf SP02は2010年12月下旬以降に発売される予定。この発売に合わせて電子書籍の配信サービスを開始するとしているが、製品発表時にその詳細は明らかにされなかった。

SMT-i9100は、Wi-Fi 通信(IEEE802.11b/g/n)でインターネットに接続できるタブレット型端末。OSとしてAndroid2.2を搭載しているため、Flashコンテンツも閲覧できる。

約7.0インチのディスプレイは静電式マルチタッチパネルを備え、大画面でありながら薄さ13.9ミリ、重さ約450グラムと持ち運びやすいスタイルを実現している。キッチンで料理レシピを検索したり、リビングルームで地図や地域情報を見ながら旅行計画を立てるなどの利用シーンを想定し、「20〜40代の女性層をターゲットに開発した端末」(説明員)という。端末には、「安心ナビ」の「パソコンで位置確認」や、「auお客さまサポート」などへダイレクトにアクセスできるショートカットアイコンが実装されている。

▼「SMT-i9100」は、主婦層に好まれそうな料理レシピ検索や安心ナビなどにダイレクトアクセスが可能なショートカットアイコンを実装。
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モバイル無線LANルーターの投入やデータ通信網の高速化を実現

KDDIは、Wi-Fi対応端末の拡充を進める一方で、その利用エリアを拡大し、屋内だけでなく屋外でもWi-Fi環境でインターネットへの接続を可能にするソリューションも用意する。au初となるモバイルルーター「Wi-Fi WALKER DATA05」(Pantech製)を12月上旬以降に発売し、イデアクロスが提供するモバイル無線LANターミナル「NEX‐fi」(M2Ware製)を12月中旬以降から発売を開始するとしている。

Wi-Fi WALKER DATA05はCDMA2000 1xEV-DO Rev.A対応の通信モジュールを内蔵し、「CDMA 1X WIN」のネットワークを使ってWi-Fi環境を提供できるモバイルルーター。Wi-Fi対応のゲーム機やPCなど、最大5台まで接続できる。最大連続通信は約4時間。Micro USBに対応し、通信しながらでも充電が可能だ。

NEX‐fiは、auケータイ共通の18コネクターに装着することで、無線LANテザリングを実現できる。500mAhのバッテリーを内蔵し、2時間の連続通信時間を確保している。最大で7台まで同時接続ができる。

加えてKDDIは、既存のデータ通信網の高速化にも取り組む。2006年12月に導入した「EV‐DO Rev.A」の機能拡張版である「EVDOマルチキャリア」技術を取り入れ、下り最大9.2Mbps、上り最大5.5Mbpsを実現する高速データ通信サービス「WIN HIGH SPEED」を提供する。

EVDOマルチキャリアは、EV‐DO Rev.Aの搬送波を2本もしくは3本束ねてデータ通信を高速化させる技術。通信速度は、EV‐DO Rev.Aと比べて最大3倍まで向上するという。

WIN HIGH SPEEDの対応機種は、「REGZA Phone IS04」「SIRIUSα IS06」「BRAVIAR Phone S005」「Cyber-shotケータイ S006」「T006」「X-RAY」「G11」の7機種。対応機種の発売と同時にサービスが開始される予定だ。

▼au初のモバイル無線LANルーター「Wi-Fi WALKER DATA05」はPantech製。
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▼イデアクロスが提供する無線LANルーター「NEX‐fi」は、auケータイの18芯コネクターに差して利用する。
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【報道発表資料】
au携帯電話の新ラインナップの発売について
「iida」の新ラインナップ発売について
電子ブックリーダー「biblio Leaf SP02」の発売について
Android2.2、7.0インチディスプレー搭載のタブレット端末サムスン電子製「SMT-i9100」の発売について
モバイルルーター「Wi-Fi WALKER DATA05」およびモバイル無線LANターミナル「NEX-fi」の発売について
「EVDOマルチキャリア」技術に対応した高速データ通信「WIN HIGH SPEED」の提供開始について

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