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フジタクシーとソフトバンク、スマートフォンを使ったタクシー配車管理の実証実験

2010.11.29

Updated by WirelessWire News編集部 on November 29, 2010, 10:20 am JST

実証実験システム概要図
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愛知県名古屋市でタクシー事業を手がけるフジタクシーグループは2010年11月26日、スマートフォンを使ってタクシーの配車管理などを行うシステムの実証実験を開始したと発表した。従来は個別に運用されていた複数のシステムをスマートフォンを核に統合、実用化に向けた検証を行う。実証実験はフジタクシーグループと、ソフトバンクグループのリアライズ・モバイル・コミュニケーションズ、ソフトバンクテレコム、ソフトバンクモバイルの各社が共同で行う。

実験には東芝製のWindows Mobile搭載のスマートフォン「SoftBank X02T」を利用する。配車などの運行支援、業務管理などのシステムをスマートフォンを端末としたシステムに一本化することで、低コストで利便性の高いシステムを構築することが目的だ。背景には、タクシーの配車管理システムが利用してきたタクシー無線が2016年にデジタル無線に移行することがあり、スマートフォンを使ったシステムを採用することで移行コストを引き下げる狙いがある。

実験システムでは、スマートフォンが備えるGPS機能を利用し、配車センターでタクシーの位置情報と実車/空車の状況をリアルタイムに把握できる。これにより、配車の要望があった顧客に対して、最も近くにいるタクシーに「迎車」の指示を出すことで、顧客の待ち時間の短縮につながる。また、位置がわかることで配車センターからタクシーに対してナビゲーションすることも可能になる。タクシー側では、スマートフォンのタッチパネル画面を操作するだけでシステムの利用が可能になる。また迎車の顧客情報などは、音声だけでなく画面上に文字で表示することも可能になり、確実な情報の伝達につながる。忘れ物の問い合わせや各種の通達などの業務連絡での利用も想定する。

実験の成果を踏まえて、フジタクシーグループでは2011年春にも全車両にスマートフォンを利用したシステムを導入する計画だ。今後は、料金の決済や防犯対策なども含めて、低コストの統合システムに用途を拡大していく計画である。

【報道発表資料】
スマートフォンを利用したタクシー向け配車管理システムの実用化に向けた実験開始について(ソフトバンクモバイル)

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