音声で会話する、バーチャル・アシスタントのVlingo
2011.01.26
Updated by WirelessWire News編集部 on January 26, 2011, 17:30 pm JST
2011.01.26
Updated by WirelessWire News編集部 on January 26, 2011, 17:30 pm JST
【企業名】Vlingo, Inc.
【所在地】アメリカ マサチューセッツ州(17 Dunster Street, Cambridge, MA02138, USA)
【URL】http://www.vlingo.com/
Vlingoは2006年創業の音声認識技術のベンチャー企業であり、iPhone、BlackBerry、Android向けの音声・テキスト変換や音声認識アプリケーション(電話帳など)を提供している。創業者は今では大手ライバル企業となったNuance社(当時はSpeechWorks社)の共同創業者で、カーネギーメロン大学時代から音声"オタク"のスピーチ・サイエンティストとして知られていたらしいMike Phillips氏ら3名。これまでにCharles River Ventures、Yahoo!、AT&Tなどから総額2650万ドルの資金を得ている。
Android向けアプリケーション「ActionBar」を使うと音声でAndroid端末の一定の操作ができるようになるが、最新のベータ版は格安航空券やホテルのKayak.com、レストラン予約のOpenTable、映画や劇場チケットのFandangoとも連動するそうで、例えば自動車の運転中に音声でレストランを予約できるようになるようなのだ。iPhone版は地図連動やショートメール、電子メールを音声で操ることができる。BlackBerry版は昨年夏までに500万回ダウンロードされているという。
Vlingoは、バーチャル・アシスタントという未来図を描いてアニメーションで示している。端末とクラウドの音声認識、音声合成を組み合わせて、ちょうと映画「2001年宇宙の旅」で、宇宙船ディスカバリー号の乗組員が、搭載されたコンピュータのHALと音声で会話したように、スマートフォンでクラウド上にいる仮想的なアシスタントと会話して、多地点ビデオ会議の参加者を即座に招集させたり(日常生活では、単に仲良しグループと今夜の予定について話し合うというだけのこと)、コンサートチケットを買わせたりと、音声で指示する場面が描かれている。
特にアメリカでは公用語は英語でありながらスペイン語しか話さない人々の数が多いことを意識してか、Vlingoのアニメーションの未来図では、スペイン語を話す家政婦さんに、英語の音声でお願いすると、スペイン語のテキストで伝わるという場面が登場する。
Appleは昨年(2010年)4月に音声でiPhoneなどが操作できるという同種の技術を持つSiri社を買収している。GoogleやMicrosoftも音声認識には並々ならない関心を示し続けているが、自動車での通勤が多いアメリカでは、決してないがしろにできない分野で、仮にデファクトを獲得できれば、大きな成長が望まれる分野であるようだ。
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