【企業名】Powermat
【所在地】イスラエル(Kiryat Hatikshoret, Neve Ilan 90850, Israel)
【URL】http://www.powermat.com
2007年設立のPowermat社は非接触でスマートフォン、ノートPCなどを充電する製品を開発している。今年のCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)で、来年(2012年)から販売されるGM(ゼネラルモータース)の自動車には充電用の「マット」が搭載されることが発表された。搭載されるのはEV(電気自動車)の「シボレー・ボルト」などだが、充電するのは車そのものではなく、車内に持ち込むスマートフォンなどモバイル機器が対象。
社名にもなっている「マット」は、いくつかサイズはあるが、机や棚の上に広げる小さな敷物で、スマートフォンなどに「レシーバー」を装着して、「マット」の上に置いておくと、USBなどで接続しなくても、ワイヤレスで充電できるという製品だ。複数のガジェットを充電する場合にケーブルがごちゃごちゃになるのを避けて、しかもコネクタで接続する手間もなく、マットの上に置けば充電できるのが売りだ。
ただし、例えばiPhone用の「レシーバー」は、iPhone自体を包むケースの形状で、そのまま持ち運ぶとすると裸のiPhoneよりも重く、厚くなってしまう。実際、アメリカのショッピングサイトなどの評価は手厳しく、値段が高い(特に、複数のガジェット用の「レシーバー」を購入する場合)とか、そもそも「マット」と「レシーバー」を揃えないと使えないことが十分説明されていないとか、酷評が並んでいるようだ。特に昨年のクリスマスにギフトとして「マット」だけ贈られた人が「レシーバー」購入を余儀なくされて怒っているようである。
手厳しい意見の中にも、アイデア自体は素晴らしいと認める声が散見される。ソーシャルメディアでは、賞賛の声も多い。ガジェットと言ってもスマートフォンやタブレット以外に、MP3プレイヤー、デジカメ、デジカム、ゲーム機などなど多種多様で、充電にストレスを感じる向きは多いはずだ。Powermatはそのニーズに応えようとしているが、あらゆる機種の「レシーバー」ケースを取り揃えることは当然無理で、多様な機器には「マット」の上に汎用のレシーバーを置き、そこからUSBやminiUSBのプラグでガジェットに接続するという方法で対応している。タコ足配線は避けることができるが、エネルギー効率の点からは疑問が残る形態だ。
Powermatは昨年のMWC2010にも出展しているが、GMと提携を発表し(GMベンチャーを通じて500万ドルの出資も受ける)、各国でスマートフォンやiPadが広く受け容れられた後の今回、どういった展示を行うのか注目される。GMは、将来的にはPowermatの技術で電気自動車の非接触充電も可能になると見ているようで、今回の提携と出資で今後さらに注目が集まるものと思われる。なお、Powermatは以下の各国(オーストリア、ベルギー、カナダ、フランス、イタリア、韓国、メキシコ、オランダ、ロシア、台湾、イギリス、アメリカ)から購入できるようだが、日本語ページは見当たらない。米国ではWal-Martなど小売店でも売られているとのこと。
おすすめ記事と編集部のお知らせをお送りします。(毎週月曜日配信)
登録はこちら