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NEC、LTEネットワークの自己最適化技術「SON」を開発

2011.02.14

Updated by WirelessWire News編集部 on February 14, 2011, 10:10 am JST

NECは2011年2月10日、サービスエリアが異なる複数の基地局が混在する環境で、通信品質を自律的に最適化して管理するSON(Self Organizing Network)技術を開発したと発表した。LTEネットワークを対象とするもの。今後、NECが提供するLTEの基地局やネットワーク管理装置への早期実用化を目指す。

技術の特長 [PDF]
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LTEでデータの増加に対応するには、広いサービスエリアを確保する「マクロ基地局」と、狭いエリアで通信集中地域をカバーする「スモールセル基地局」を混在させて設置する手法がある。この状況では、マクロ基地局とスモールセル基地局の電波が混在するため、送信電力などを適切に設定しなければならない。この作業を自律的に行えるようにするのがSONの技術で、基地局の増設や環境の変化に効率的にな対応できるようになる。

NECが開発した技術では、2つの特徴がある。1つは、スモールセル基地局同士の無線干渉を推定して、端末が密集する地域にカバー範囲を自動調整するもの。通信速度が低下するカバー範囲の境目をなくすことにつながり、高速で快適な通信が行えるようになる。2つ目は、マクロ基地局からスモールセル基地局へのハンドオーバーの制御。高速移動する端末はマクロ基地局にとどまるように制御、一方で低速移動中や静止した端末は積極的にスモールセル基地局にハンドオーバーさせることで、双方が安定した通信品質を得られるようにする。

NECでは、LTE SON 3次元シミュレータで技術を検証。その結果、基地局カバー範囲の境目付近での通信速度低下や通信の途切れを大きく改善できたという。

【報道発表資料】
多様なカバー範囲のLTE基地局に対応したネットワーク自己最適化技術を開発

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