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[2011年 第5週]3Q決算はソフトバンクが好調、ARやおサイフケータイのスマートフォン利用が本格化

2011.02.07

Updated by WirelessWire News編集部 on February 7, 2011, 10:00 am JST

立春を迎え首都圏では春めいた日もあったこの週は、ワイヤレス関連のニュースもホットになってきた。まずは大手3キャラクターの第3四半期決算が出揃ったニュースから報告していこう。

3Q決算は2Qと同傾向、ソフトバンクが依然好調

201102071000-1.jpg携帯電話事業者大手3社の2010年度第3四半期の決算が出揃った。大筋の傾向は第2四半期から変わらず。増収増益のソフトバンクに対して、減収増益のNTTドコモ、減収減益と元気がないKDDIという構図になった。ソフトバンクは前年同期比で売上が10%増、営業益が3割の増加と絶好調。海外よりもAndroidへのシフトが遅めの国内で、iPhone人気による好調をいつまで引っ張れるだろうか(関連記事:携帯3社の3Q決算、スマートフォンが出揃ってもソフトバンク強し)。

決算以外のキャリアーの動向を見ていこう。2件続いた不具合の話題から。

NTTドコモは、スマートフォン向けのISPサービス「spモード」に不具合があったことを明らかにした。spモードのメールの送受信などが、2月5日の19時20分〜20時23分の1時間13分間にわたりできなくなった。NTTドコモによれば、原因はドコモの通信設備の故障とのこと(関連記事:spモード、通信設備の故障でメールに不通)。

もう1件は、ソフトバンクモバイルの通信料金の誤請求。データ通信のパケット数のカウントに間違いがあり、2010年10月1日13時38分〜11月26日14時40分にわたる料金が誤っていたという。返金総額は3512万0321円に上る(関連記事:ソフトバンク、データ通信料金で誤請求、総額3500万円余を返還へ)。

明るい話題を1つ。イー・モバイルは「EMOBILE通信サービス」の契約数が2011年1月30日に300万契約を超えたと発表した。2007年3月のサービス開始から4年弱で、携帯電話の通信方式を利用した定額の高速モバイル通信サービスというジャンルを確立させ、300万の大台に乗せることに成功した(関連記事:「EMOBILE通信サービス」が300万契約を突破)。

おサイフケータイのスマートフォン対応が相次ぐ

201102071000-2.jpg国内仕様の端末が増えてきたスマートフォンに向けて、おサイフケータイの対応が進んでいる。楽天グループのビットワレットは、プリペイド型電子マネー「Edy」をスマートフォンで利用できるアプリの提供を開始した。スマートフォン向けの新機能として、ウィジェット機能を追加し、スマートフォンのホーム画面上でEdyの残高を確認できるほか、残高が999円以下になると「そろそろチャージ」マークが表示される(関連記事:EdyのAndroidアプリが登場、残高表示のウィジェットも用意)。

NTTドコモは、後払い式の電子マネー「iD」を同社のおサイフケータイ対応スマートフォンで利用できるようにすることを発表した。2月7日午前10時ごろから対応アプリのダウンロードを可能にする予定である。当初は「LYNX 3D SH-03C」と「REGZA Phone T-01C」が対象となる(関連記事:NTTドコモ、電子マネー「iD」をスマートフォン対応に)。

スマートフォンでの電子マネーの利用は、イオンの「WAON」が先行し、EdyとiDがこれに続くことになる。交通系では、JR東日本の「モバイルSuica」が2011年度上半期に対応予定である。

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スマートフォン、マーケット、広告、安全対策などが続々

201102071000-3.jpgスマートフォンの話題は、おサイフケータイ対応にとどまらない。米Googleは、AndroidマーケットのクライアントとしてWeb版の提供を開始した。パソコンのWebブラウザーでアプリを検索して、Android端末へ自動的にダウンロードが可能になり、利便性が格段に高まる。Web版のAndroidマーケットは、まず英語版で提供を開始して他の言語に展開するとしているが、すでに日本語での表示が行われている(関連記事:Androidマーケット、GoogleがWeb版を提供)。

スマートフォン向けの広告をKDDIが手がける。medibaとKDDIは、スマートフォン向けの広告サービス「mediba ad ネットワーク スマートフォン」を2月下旬から提供する。マートフォン向けのアプリとブラウザサイトをネットッワーク化し、広告主が一括して広告を配信できるようにするサービス。まず、Android搭載スマートフォン向けの広告配信サービスとして提供し、順次対応OSや機器の拡大を図る(関連記事:スマートフォン向けの広告サービス、KDDIとmedibaが提供開始

ソフトバンクモバイルは、スマートフォンに対応した法人向けのソリューションの開発支援やマーケティング、プロモーションを行う「SoftBank Solution Provider PREMIUM」(以下、SSP PREMIUM)の提供を開始した。スマートフォン向けソリューションに対してスキルの高い開発企業と法人顧客の仲立ちをすることで、法人でのスマートフォンの導入や利用を促進した考えだ(関連記事:ソフトバンク、法人のスマートフォン導入を支援するソリューションプログラム)。

スマートフォンを法人利用する際の安全性確保に向けたサービスも始まる。京セラコミュニケーションシステム(KCCS)は、スマートフォンやタブレット端末向けのセキュリティ対策を支援するサービス「スマートフォン向けセキュリティサービス」を開始した。複数のメニューからなり、セキュリティガイドラインの作成から、実際の安全検証までの支援をする(関連記事:KCCS、スマートフォン向けのセキュリティ対策に支援サービス)。

本格活用に向けてARを実験

201102071000-4.jpgKDDIとKDDI研究所、クリプトン・フューチャー・メディアは、さっぽろ雪まつりでAR(仮想現実感)アプリケーション「手のひらAR」の展示とデモを行う。さっぽろ雪まつりの「SNOW MIKU for SAPPORO 2011」で、2011年2月7日〜11日に実施する。手のひらをスマートフォンのカメラで撮影すると、画像を認識して画面に表示した手のひらの上に3Dのオブジェクトを映しだす(関連記事:KDDI、さっぽろ雪まつりでARのデモを実施

また、同じくKDDIはテレビ朝日と共同で、画像認識技術を使ったARアプリの「tv asahi お願い! 3Dアプリ powered by au」(以下、お願い! 3Dアプリ)を提供。テレビ朝日が放送するテレビ番組「お願い! ランキング」と連動したARアプリで、番組オリジナル商品に同こんされるカードをAndroid搭載スマートフォンで読み取ると、番組のキャラクターが画面の中に登場する(関連記事:KDDIとテレビ朝日、ARを体験できるAndroid向けアプリを提供)。

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