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ケニアで開花するAndroidスマートフォンアプリ市場

2011.06.24

Updated by WirelessWire News編集部 on June 24, 2011, 18:30 pm JST

Technology Reviewに先ごろ掲載された「Android Marches on East Africa」というタイトルの記事には、ケニアで低価格帯のAndroidスマートフォンが人気を呼び、それに伴って独自のニーズに応えるようなアプリが複数登場しているという話が載っている。

このきっかけをつくったスマートフォンは、中国ファーウェイ(Huawei)製の「Ideos」というモデルで、現地での価格は米ドル換算で80ドルほど。一人あたりのGDPが783ドル(世界銀行推定/2008年)ということを考えれば、いささか高嶺の花では...とも思えるが、いまのところ最安値のスマートフォンということで、2月の発売開始以来、すでに35万台も売れているという(ケニアの総人口は約3200万人)。

有線ブロードバンドの段階をすっ飛ばして、いっきにモバイル・ブロードバンド時代に進もうとしているケニアでは、2010年9月からの一年間でインターネットの利用が8倍以上も増加する見込みだという(ただし、それが利用者数なのか、データトラフィックの量なのか等についての説明はない)。

こうした流れを受けて、Androidアプリを開発する動きも目立ってきており、今月にはiHubという団体主催のモバイルアプリのコンテストが開かれ、100を超える応募があったという。

このiHubをまとめるエリック・ハースマン(Erik Hersman)という人物は「ウシャヒディ」(Ushahidi)なるモバイルプラットフォームをつくったメンバーの一人として知られている。ウシャヒディのプラットフォームはもともと2007年末のケニア大統領選に端を発した暴動や混乱とその後に続いた国民投票の際に、各地の状況を知らせ合うためにつくられたもので、現在では他の国でも使われるようになっているという。

Ushahidi
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What is the Ushahidi Platform? from Ushahidi on Vimeo.
[Ushahidiとはスワヒリ語で、証言(testimony)もしくは証人(witness)といった意味だという]

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ケニアでは現在、このウシャヒディとM-Pesa(利用者数は1400万人以上)とが代表的なモバイル・プラットフォームで、今後はこれらをベースにしたアプルが増えそうな流れ。とくに、送金・決済関連についてはすでに「PesaPal」「KopoKopo」といったものが出始めているという。

また、ゲームアプリなどが人気ランキングの上位を占める先進国とは違い、生活上の実利につながるアプリが目立つのも特徴のひとつ。たとえば、Biovisionというスイスの非営利団体がつくったAndroidアプリは、有機農業に役立つさまざま情報を提供する目的のもので、いまのところは同団体の指導員約200人ほどが利用しているが、将来的には(スマートフォンの価格低下につれて)農民自身が使う可能性も想定されているという(TRでは、これがOne Laptop per Childプロジェクトで配布を試みたノートPCに代わる可能性にも言及している)。農業関連ではこのほか、MFarmという穀物の市場価格を知らせるアプリもあるという。

Biovision
201106241830-2.jpg

さらに、Medkenyaというアプリは医療・健康関連の情報を提供するほか、患者と医師を結びつける機能も搭載しており、このアプリの開発者はケニアの厚生省とパートナーシップを組んで広い層への情報提供をめざしているという。

【参照情報】
Android Marches on East Africa - Technology Review
[動画]ケニアの「M-Pesa」 - モバイルバンキングが変える社会の例
ケニアのサファリコムが4Gテストを計画 - LTEを採用か
アフリカ編(2)生活に密着したアフリカの携帯電話端末

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