あのバイドゥも脱落 - 急成長を遂げた「中国版Twitter」市場のいま
2011.08.12
Updated by WirelessWire News編集部 on August 12, 2011, 17:30 pm JST
2011.08.12
Updated by WirelessWire News編集部 on August 12, 2011, 17:30 pm JST
▼百度说吧
バイドゥ(Baidu)といえば、中国の検索・ポータル最大手として、とくにグーグルの退却後は圧倒的な存在感を誇る企業だが、そのバイドゥがサービス開始後1年に満たないマイクロブログ「百度说吧」(Baidu Shuoba - http://t.baidu.com/)の閉鎖を早々と決定した。この市場で先行する大手2社との差が開きすぎ、「追撃は難しい」との判断が働いた結果と、FT.comやWSJ.comでは推測している。
Twitterと同様のサービスを提供する中国のマイクロブログ市場は、すでに登録ユーザー数であわせて1億9500万人の規模まで拡大しており、なかでも「新浪微博」(Sina Weibo)と「腾讯微博」(Tencent Weibo)という2つのサービスが図抜けた存在となっている。前者は大手ニュースポータルのSina.com(新浪網)が運営するもので、5月時点での登録ユーザー数はすでに1億4000万人超。これを追う「腾讯微博」は、「QQメッセンジャー」の提供からスタートし、ポータルやゲームの分野にまで手を広げるTencentが運営。いずれも、今後の成長の柱の1つとしてそれぞれの運営者がさまざま機能拡張やプロモーションに重点投資しているところだという。
なお、グローバルで登録ユーザーが3億人を超えたとされるTwitterは、中国ではいまのところ政治的な影響への懸念などから提供されていない。
これらのマイクロブログ・サービスは、いまのところPCからの利用が中心のようだが--ネットカフェからのアクセスなども多いと、Businessweekの記事にはある--、やはり急増中の3G加入者の拡大にともなって今後は携帯端末からの利用も増えると見込まれるという。
Twitterが「アラブの春」など政治的な流れのなかで重要な役割を担ったことは周知の通りだが、マイクロブログのような「ソーシャル」なコミュニケーションツールが社会主義国家のなかで今後どうなっていくのか。同市場や各プレーヤーの動きと共に要注目といえよう。
【参照情報】
・Baidu surrenders China's microblog market to Sina and Tencent - FT.com
・Baidu Bows Out of China Microblogging Race - WSJ.com
・Baidu Shuts Down Twitter-like Service - PCWorld
・Tencent: March of the Penguins - Businessweek
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