WirelessWire News The Technology and Ecosystem of the IoT.

by Category

それでも挑戦は続く - 新世代の「スマートウォッチ」開発の試み

2011.09.16

Updated by WirelessWire News編集部 on September 16, 2011, 17:30 pm UTC

「腕時計型のコンピュータをつくろう」という試みは以前からいくつもあり、たいていが泣かず飛ばずの結果に終わったとの印象がある。比較的記憶に新しいところでは、まだマイクロソフト(Microsoft)に在籍していた当時のビル・ゲイツ(Bill Gates)氏が「SPOT」(Smart Personal Objects Technology)という製品の試作品をCESかなにかでこれをデモしていたのを思い出す。また、もっと筋金入りの「ガジェッター」の方なら、90年代後半にセイコーインスツルメンツ(SII)から「Ruputer」という製品が市販されていたのを思い出されるかもしれない。

こうした話題になると、英語の記事では、たいていアメコミの「ディック・トレーシー」(Dick Tracy)の例の腕時計を引き合いに出すのが通例で、それだけ読者への話の通りもいいのかもしれない。そう思いながら、似たような例を日本のもののなかから探し出そうとしてみたが、なかなか「ドンピシャで一緒」というのは思いつかない。一番近そうなのは、漫画の「スーパージェッター」が腕にしているものだが・・・ アレは流星号と更新するためのトランシーバーだったか・・・。

閑話休題。
上記のような失敗例があるにもかかわらず、それでも「スマートウォッチ」をつくろうと試みは繰り返し試みられているようで、そうした例のひとつである「MetaWatch」プロジェクトのことが先ごろFortuneやGigaOMで採り上げられていた。


[Meta Watch hands-on]

このプロジェクト、高級腕時計メーカーとして知られたスイスのティソ(Tissot)--現在はスウォッチ・グループの傘下--とチップメーカー大手のテキサスインスツルメンツ(Texas Instruments:TI)が共同で続けてきたものだが、今回のニュースの主題は、この開発グループが元ノキアの幹部らがつくる投資家グループに買い取られた結果、独立会社として事業化を目指すことになったというもの。プロジェクトの責任者がそのまま新会社の経営陣になるとのことで、実質的には分社前とあまり違いがないのかもしれない。

MetaWatchはいまのところ、文字盤がデジタル表示のものとアナログ(針)表示のものという2つのモデルを計画しているようだが、いずれにも共通するのはBluetooth経由でAndroidスマートフォンや他の端末に接続し、メールやIMの着信、天気情報、加入するソーシャルメディアの情報などを表示できる点だという。なお、MetaWatchは当初の事業モデルとして、そうした製品を開発するためのSDK(開発環境)などの提供を考えており、具体的な製品の市販は先のことになりそうだという。

新しい世代のスマートウォッチに共通するの、このスマートフォンや他のデバイスとの接続・連動という点かもしれない。ネットへの(人間の)「常時接続」がめずらしいことではなくなり、さらにFacebookやTwitterなどの普及もあって、そうした場所で絶えず流れ続ける情報に触れられることへの需要は、全体としてみれば意外に大きいのかもしれない。また、そうした特定の使い方(情報の表示)などに特化した使い方であれば、かつての失敗作が突き当たった小さな画面や操作性の悪さといった問題点も克服できる可能性が高くなるのかもしれない。

いっぽう、Forbesでは、このMetaWatchの分社化の話に加え、「スマートウォッチに新たな関心が集まっている」という米新興企業ルンバタイム(RumbaTime)経営者の話も載っている。(なお、こちらの記事にも複数の失敗例 -- TIの「Chronos」やLG、サムスン、モトローラなどが過去数年の間に発表したり実際に手がけたりしたものの話もでてくる)

ルンバタイム創業者の話によると、新しい世代のスマートウォッチには、前述のような高い機能を持つもののほか、NFCチップ搭載でID認証や支払い決済といった特定の目的を想定したものもあり、実際にマスターカード(MasterCard)では同社の非接触決済システム「PayPass」に対応するリストバンドの実験なども始めているという。

なお、スマートフォンと連動する高機能タイプには、このほかイタリアの「I'm Watch」や、ソニーエリクソンによる「LiveVeiw」などもある。


[I'm Watch]


[Sony Ericsson LiveView Android Watch Hands-On]


[『スーパージェッター』 フルバージョン 1965〜1966]

(無人自動車「Google Car」とAndroidの音声認識機能が組み合わさると、いずれ「流星号」のようなものができたりするのだろうか)

【参照情報】
MetaWatch
Connected Watches Gain Interest As 'Growth Market' - Forbes
Meta Watch smartwatch, platform breaks out from Fossil - GigaOM
スマートフォンと連携する Meta Watch また延期、9月出荷へ - Engadget JP
The decade's 30 biggest tech flops (photos) - CNET
SII、腕に付けるパソコン『Ruputer(ラピュータ)』を発表 - ascii.jp

WirelessWire Weekly

おすすめ記事と編集部のお知らせをお送りします。(毎週月曜日配信)

登録はこちら

RELATED TAG