中国、インド、インドネシア、日本に次ぐアジア5位の巨大市場、パキスタンで初の3G周波数オークションが10月に実施される見込みとなった。同国のモバイルユーザは2011年4月時点で1億700万、人口1億8000万人の約60%に上っている。このオークションで同国政府は750億パキスタン・ルピー(PKR)(1PKR=0.89円換算で約667億円)を集めるものと見られている。
パキスタンのオペレータは、エジプトのオラスコム(Orascom)系のモビリンク(Mobilink)、ノルウェイのTelenorのほか、Ufone、Warid、中国チャイナ・モバイル系のZongなどがいるが、リーダーはモビリンクで約3300万ユーザ、2位はTelenorで2600万ユーザを擁している。
政府側は3G周波数オークションに関して2つの案を比較検討している。1つは10MHz幅を開放して約323億円から617億円を集める案で、もう1案では20MHzから32MHzの間の周波数によって約577億円から825億円を集める案。入札すると見られているのは上記5社で、オークションは2012年1月を目処に、また周波数の割り当ては2013年までに実施される見通し。
パキスタンのオペレータは2010年12月時点で195円程度と非常に低いARPU(加入者1人当たり月間売上高)に苦しんでおり、オークションに積極的に応じるか疑問視する向きもある模様。ARPU以外にも輸入税その他の高い税率、地方部でのモバイル普及率の低さなど、加入者数は多くても高額の入札に応じにくい不利な条件がオペレータにはいろいろあるようだ。
【参照情報】
・Pakistan plans auction of 3G licences in October
・Meeting for auction of 3-G licences delayed
・Pakistan can earn $4b through auction
・Raising Rs75bn through 3G licences a far-fetched idea
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