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アップル、iTunesでのテレビ番組レンタルを終了 - 定額制サービスの噂も新たに

2011.08.29

Updated by WirelessWire News編集部 on August 29, 2011, 09:49 am JST

アップル(Apple)が米国市場で提供していたテレビ番組のレンタル配信サービスを停止したことが米国時間26日に明らかになった。これを受けて、同社が新たに定額制サブスクリプションサービスの準備を進めているのではないかとする噂もあらためて浮上してきている。

アップルは、昨年秋に投入した新しい「Apple TV」の目玉として、iTunes経由でテレビ番組をエピソードごとにレンタルできるサービスを開始。同サービスは、1エピソードあたり99セントという低価格が話題を呼んだものの、結局2つの大手テレビ局 -- フォックス(Fox)とABCから一部の番組の提供を受けるにとどまっていた。

Apple TV
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アップルは同サービスの終了について、iTunes利用者がコンテンツのレンタルよりも購入を望んでいることがわかったためと説明している。また今後iTunesでテレビ番組を視聴したいユーザーは、エピソードごとかシーズンパスかを購入して観ることになるという。

ただし、テレビ番組のストリーミング配信については、アップルが今年秋に開始を予定するクラウドサービス「iCloud」を通して、定額制の見放題サービスを提供するのではないかという噂もある。iTunesでの定額制動画配信サービスはこれまで何度か話題になったことがあり、たとえば2009年には、内部事情を知る複数の関係者の予想として、月額30ドルの価格設定で2010年にサービス開始とする説が流れていた。結局この予想は外れたものの、その後も同社がABCやCBSなどの大手テレビ局各社と番組提供をめぐって折衝を続けているとする話も伝えられていた。

またこれとは別に、アップルが「iTunes Replay」と呼ばれるサービスを開始するとの噂も流れている。このサービスは、iTunesで購入したビデオをApple TVやiOS端末、Macなどでも観ることができるというもので、定額制の動画配信サービスとは違ったアプローチが採れらる可能性や両方を同時に行う可能性もあるという。

アップルはこれまで、事業モデルの構築の難しさなどを理由に、テレビ関連の取り組みをあくまで「趣味」と位置付けていた。しかし、ティム・クック(Tim Cook)新CEO体制の発足を機に、新たに大きな成長性が見込める分野のひとつとしてテレビ関連の市場が挙げられており、同社のこの分野に対するアプローチが改めて関係者の注目を集めている。

【参照情報】
Apple Pulls the Plug on TV Rentals - AllThingsD
Apple cancels iTunes TV rentals - GigaOM
Apple kills TV rentals, subscription offer not coming - CNET
Apple may still challenge cable with TV subscription service - Ars Technica
アップル、テレビメーカーなどへの「AirPlay」ライセンス提供を検討 - Bloomberg報道
アップル、新しいApple TVを発表 - 1本99セントでテレビ番組をレンタル配信

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