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NECとシスコシステムズが提携 - LTEネットワーク関連で

2011.08.31

Updated by WirelessWire News編集部 on August 31, 2011, 09:00 am JST

通信機器国内大手のNECと、ネット通信機器大手の米シスコシステムズ(Cisco Systems:以下、シスコ)がLTE関連分野での提携を発表。世界の携帯通信事業者に向け、両社が強みをもつ製品やサービスを共同で提供することになった。

シスコの発表によると、両社はLTEネットワークの構築に必要とされる機器を包括的("end-to-end")に提供していくとし、具体的な製品・サービスとしてNECの携帯通信機器(eNodeB)やバックホール用ソリューション、それにシスコの「ASR 5000」スイッチなどが挙げている。

この提携について、NECの柳沼伸行執行役員(グローバルキャリアソリューション事業本部長)は「NECは、マクロセルからスモールセルまで大小さまざまな携帯通信用ベースステーションを提供している。シスコとの提携により、商用LTE網の構築やサービス開始・拡張を計画する通信事業者に対して、競争力のあるシステムの提供が可能となる」としている。またシスコのアシュ・ダフッド(Ash Dahod)氏(モバイル・インターネット・グループSVP)は、「われわれは、モバイル・マルチメディア・プラットフォームのASR 5000など、LTEへの円滑な移行手段を提供しており、NECと力を合わせることで、既存のネットワークに影響を与えることなくLTEへの移行が可能になる包括的なサービスを通信事業者に提供できる」としている。

この話題を採り上げたComputerworldでは、市場調査会社カレント・アナリシス(Current Analysis)のアナリスト、ダリス・スクーラー(Daryl Schoolar)氏の見方を紹介。同氏によれば、「この提携は、NTTドコモのLTE網展開などで実績を持つものの、日本以外の市場では存在感に乏しいNECにとってより大きなメリットがある」という。いっぽう、バックエンドのスイッチ製品などの強みを活かして多くの携帯通信事業者から契約を獲得しているシスコにとっても、エリクソン(Ericsson)、アルカテル・ルーセント(Alcatel-Lucent)、ファーウェイ(Huawei Technologies)などと競争する上で、NECからの基地局なども含めたより包括的なソリューションが提供できるようになることはメリットがあるとしている。

なお、クレディスイスが先ごろ公表した調査結果によると、世界各国の携帯通信ネットワークのデータトラフィックはすでに平均で最大容量の65%程度にまで達しており、今後もさらにトラフィックの増加が見込まれることから、各社で3Gから4Gへの移行(アップグレード)が進んでいるといいう。業界団体のGSA(Global mobile Suppliers Association)によれば、現在すでに16カ国で24の商用LTEネットワークが稼働しており、この数は今年末までに71に増える見込みだという。

【参照情報】
NEC collaborating with Cisco to Build Commercial LTE Networks for Service Providers - Cisco Systems
Cisco, NEC team up on LTE networks - Computerworld

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