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[Xi Watching Report #9]Xiの加入者計画に対する月次進捗確認、ソフトバンクのLTE計画、ドコモのXiエリア展開の加速に関する考察

2011.11.02

Updated by WirelessWire News編集部 on November 2, 2011, 19:00 pm JST

10月のXi Watching Reportは、引き続きXiの月次契約動向と会社計画に対する進捗状況を確認すると共に、先日総務省より公表された700/900MHz帯の参入希望調査結果の公表から明らかになったソフトバンクのLTE計画ついて考察したい。

LTE純増数 9月92,400件、月次純増の概ね半数のペースを維持

少々遅くなったが、10月7日に公表されたXiの最新契約動向について月次進捗を確認する。9月のXi純増数は92,400件、累計加入者は38万8,600件という着地。純増数については、8月に続き9万件超となり、月次純増の概ね半数をXiで獲得するというペースを維持している。上半期(4-9月)の純増は36万3,000件となり、年間のXi純増約100万件の36%程度の進捗だが、現状の9万件/月程度のペースを維持すれば、年間純増数計画は概ね達成できそうな状況だ。

▼表1:ドコモXi契約者数推移(※画像をクリックして拡大)
201111021900-1.jpg(出所):会社資料、取材などから筆者作成

前月「Xi Watching Report #8」レポートでも触れたとおり、9月に発表されたXi対応タブレット2機種、10月18日に発表されたXi対応スマートフォン4機種が発売されれば、現状以上の純増獲得ペースになろう。

10月18日に実施された新商品発表会でもドコモの山田社長は、Xiの年度末契約数が140万程度となる見込みであると言及(参考)した通り、ドコモとしてもXi加入者獲得に手応えを感じ始めているようだ。

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基地局建設は引き続き高い進捗、前回「Xi Watching Report #8」レポートでの指摘通り、Xiエリア展開を前倒しへ

加入者獲得状況と合わせて、毎回確認しているLTE基地局の設置状況だが、9月末時点では4,000局程度まで、基地局数を増やしている。上半期が過ぎた段階で当初今年度5,000局計画に対しかなりのハイペースだ。

▼表2:ドコモLTE基地局数推移(※画像をクリックして拡大)
201111021900-2.jpg(出所):ドコモLTE基地局については総務省無線局情報検索にて電波形式「5M00X7W」を集計し、会社資料を参考にしながら、筆者作成
(注):ドコモ公表値と総務省無線局情報検索との差分は、ドコモ公表値は基地局設置場所数であり、免許数ではない事に起因すると想定している

ドコモのXi基地局の設置ペースから鑑みて、前回「Xi Watching Report #8」レポートで、Xiエリア展開前倒しの可能性を指摘したが、10月18日の新商品発表会では、2011年度〜2014年度のXi基地局数の計画修正が公表された。(参考 [PDF]

▼図1
201111021900-3.jpg

図1の通り、今年度5,000局→7,000局へ、12年度15,000局→20,000局へ、14年度35,000局→50,000局へそれぞれ前倒しする計画修正を公表。今後のLTE端末ラインアップにも拠るが、前回「Xi Watching Report #8」レポートで指摘したKDDIのLTE立ち上げ本気度からも、来年は一気に日本国内LTE市場が立ち上がる事となろう。

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ソフトバンクモバイル(SBM)のLTE導入計画とネットワーク戦略の考察

少し前になるが、総務省より700/900MHz帯参入希望調査結果が公表された(参考)。この中で、SBMは平成27年(2015年)にLTEを導入する計画である事が明らかになった。

▼表3:ソフトバンクモバイル、ワイヤレスシティプランニングの保有帯域運用状況
201111021900-4.jpg(出所):総務省、会社資料などから筆者作成

表3は、SBM及びワイヤレスシティプランニング(WCP)の現状の周波数運用状況を示したもの。WCPの保有する2.5GHz帯を用いた、「A-XGP」(TD-LTE)は2012年2月に対応端末(参考)が発売される予定だが、LTEについては2015年とかなり悠長な立ち上げ計画。これにはいくつかSBM固有の事情があり、

  1. 現状3Gを運用する周波数帯の一部をLTEに振り向ける余裕は無い
  2. 全加入者の3割近くを占めるに至ったiPhoneシリーズ及び今後発売されるであろうiPhoneシリーズが1.5GHz帯に対応する見込みが無い
  3. 現状最短で割当られるであろう900MHz帯は2015年頃まで5MHz幅×2となる予定で、競合2社のLTEに比べカタログスペックが見劣りする可能性。(ドコモのXiは1.5GHz帯・1.7GHz帯を用いて2012年には100Mbps超・KDDIのLTE(800MHz・1.5GHz帯を用いて75Mbps超)

係る事情から、グローバルでも3Gで運用されている900MHz帯を獲得できるのであれば、iPhoneは当該帯域に対応している為、まずはHSPA、HSPA+で運用し、SBM全ユーザの3割超のiPhoneユーザを分散して収容(追加周波数により3Gの容量拡大の効果を得る)すると共に、iPhone以外のスマートフォンについては、1,5GHz帯及びWCPの運用する2.5GHz帯にも対応したスマートフォンを用意し、トラヒックを分散させる事が先決であると考えたと見てよい。SBMのCTOの宮川氏によると、AXGPに対応したハンドセット型端末の導入も予定されている様子。(参考

KDDIのHTC製EVO等のように、3GとAXGPのデュアルネットワークに対応した端末で、僅少の追加負担額で、「テザリングし放題」といったサービスや「国内スマートフォン最速」といったプロモーションを行なうのであろう。

話は少々変り、随分前になるが、2005年10月にBBモバイル(旧Vodafone買収前に1.7GHz帯での3G参入を目指して設立された会社)が、3G+Wi-Fi+WiMAXの3つの異なるネットワーク間でのハンドオーバー実験を行なっている。(参考

当時からは技術も発展しているし、ネットワークの方式もWiMAXではなくAXGP(TD-LTE)と異なるものであるが、AXGP・3G・Wi-Fiの異なるネットワーク間でシームレスに利用できるのであれば、利便性はかなり高いと考えられる。

KDDIも固定、3G、WiMAX、Wi-Fiを用いた3M戦略(マルチネットワーク・マルチデバイス・マルチユース)に注力する中、SBMも異なるネットワーク間でもセッションが保持されたままベアラのみ切り替え、ユーザには切り替えた事すら意識させない、といったことを考えているのかもしれない。

 
文・梶本 浩平(金融機関にてアナリストとして通信セクターを担当)

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