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バーンズ&ノーブル、「Nook Tablet」発表 - アマゾン「Kindle Fire」に対抗

2011.11.08

Updated by WirelessWire News編集部 on November 8, 2011, 11:37 am JST

電子書籍分野でアマゾン(Amazon)「Kindle」と競合するバーンズ・アンド・ノーブル(Barnes & Noble:以下、B&N)は米国時間7日、Androidベースのメディア・タブレット「Nook Tablet」を発表、11月17日から249ドルで発売することを明らかにした。

Nook Tabletは、OSにAndroid(ver. 2.3)を採用。ハードウェアの仕様については、7インチのタッチ式液晶(ISP)パネル(解像度1024☓600ピクセル)、1GHzのデュアル・コアプロセッサ、1GBのRAM、16GBの内蔵フラッシュメモリ(SDカードで32GBまで増設可)などとなっている。また、ソフトウェアについては、ネットフリックス(Netflix)やフーループラス(Hulu Plus)の専用アプリがそれぞれプリインストールされ、これらのサービス経由で簡単に動画コンテンツを視聴できるという。なお、フルブラウザは非搭載。

B&Nはこの日、新サービスの「Nook Cloud」も発表。同タブレットのユーザーは購入したコンテンツを本体の内蔵メモリーのほか、同サービス上にも保存できる。

B&Nでは、Nook Tabletを自社ウェブサイトのほか、ベストバイ(Best Buy)やターゲット(Target)、ウォルマート(Walmart)、ラジオシャック(RadioShack)などの量販店経由でも販売していくという。

ライバルのアマゾン(Amazon)は9月下旬に、Androidタブレット「Kindle Fire」(199ドル)を発表していた。B&NのNook Tabletは、Kindle Fireに比べて50ドル高い価格設定となっているが、内蔵メモリやRAMの容量ではKindle Fireよりも充実している。B&Nのウィリアム・リンチ(Willian Lynch)CEOは、Kindle Fireについて「メディア端末としてはスペックが貧弱」と述べている。

Kindle FireとNook Tabletを比較したComputerworldでは、複数の市場アナリストの見解を紹介している。

エンダール・グループ(Enderle Group)のロブ・エンダール(Rob Enderle)氏は、「両者は(形状こそ似ているものの)かなり異なる製品」と前置きした上で、「それよりも、B&NがNook Tabletの価格を200ドル未満に設定できなかった点が問題。200ドル未満の製品の市場は、200ドル以上の市場よりはるかに規模が大きく、製品の仕様ではなくこの価格の違いが今後売上を左右する重要な要因になる」と述べている。

また、NPDのアナリスト、ロス・ルービン(Ross Rubin)氏は、両製品の価格差に着目、50ドルという額はかなり大きな違いだとしている。いっぽう、IDCのアナリスト、トム・メイネッリ(Tom Mainelli)氏は「50ドルの価格差がどれほどの重要になるかはわからない」としながらも、「B&Nの顧客がハードウェアのスペックにそれほどこだわるとは思えない」としている。

【参照情報】
Nook Tablet vs. Kindle Fire: Which will win? - Computerworld
Barnes & Noble Rolls Out New Nook in New York - AllThingsD
Nook Tablet announced: $249, available November 17th - The Verge
Barnes & Noble's new tablet keeps it in the game - Reuters
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