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ジョーボーンの常時装着可能なリストバンド型健康モニター

2011.11.09

Updated by WirelessWire News編集部 on November 9, 2011, 18:00 pm JST

UP by Jawbone
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Fullpower社(カリフォルニア州Santa Cruz)のMotionX技術によるモーションセンサー、バイブレーション発生用モーター、10日持続可能な充電式電池を内蔵したリストバンドで、耐汗・防水加工が施され、就寝時はもちろん、装着したままでシャワーを浴びることもできる。サイズは大・中・小の3種類で、色は7色。Appleストア、Best Buy、Target、AT&Tショップなど全米で11月6日から販売されている。UP単独では利用できず、3.5mmのイヤフォン・プラグでiPhoneやiPadと接続する。iOSのアプリケーションを併用する。測定するのは、装着した人の「行動」「睡眠」「食事」だ。

リストバンドは歩数、カロリー消費量、距離、ペース、行動時間、非行動時間を自動計測し、寝ているときには睡眠時間、眠りに落ちた時刻、眠りの深さなど眠りの質を計っている。バイブレータによる目覚ましは眠りの浅い時を狙って起こしてくれるので快適に目覚められる。食事についてはUP本体ではなくiPhoneなどのアプリケーションが食事の写真を撮影して記録を残す。

ソーシャル的な要素を取り入れて友達とチームを作って目標体重などゴールを共有したり、挑戦や相互交流による励ましでモチベーションを保つなどの工夫がなされている。こうした「挑戦」は、「より健康な世代のためのアライアンス(Alliance for a Healthier Generation)」、DailyFeats、GEのヘルシーマジネーション(Healthymagination)、24 Hour Fitnessなどと提携して作られている。

開発・販売元のジョーボーン社は、スタンフォード大学出身のHosain Rahman氏とAlexander Asseily氏が共同で1998年に設立したベンチャー企業。当初はDARPA(国防高等研究計画局)の技術を応用し、周囲の雑音をカットして自分の声だけ先方に伝えるヘッドセットを開発して売っていた。周囲の雑音と発話者の声を弁別するために骨伝導のように頬骨の振動をセンサーで拾う仕掛けのヘッドセットはシルバーでスタイリッシュなデザインが評判になったが、それほど売れなかった。2004年にHosain Rahman氏はアップル社のスティーブ・ジョブス氏と会い、ヘッドセットを見せたが、酷評されて打ちのめされたという。機能はともかく、USBにより給電しなければならず、ヘッドホンとマイクのコードを含めて、パソコンや携帯機器と3本のコードで接続しなければ使えないヘッドセットは、ジョブス氏からすれば醜悪なデザインに映ったようだ。

奮起したRahman氏は著名な工業デザイナーを雇い、Bluetoothと充電池を仕込んだ2世代目のヘッドセットを開発した。これがiPhoneに対応したことなどで1000万台の大ヒット。2010年にはJawboxというスタイリッシュなワイヤレス・スピーカーを売り出し好評を博している。経営が軌道に乗った段階で、ジョーボーンは人類共通の課題である健康管理の分野に乗り出した。ヘルスケアの専門家でない彼らは、西海岸のベンチャーの持てる技術面でこの新分野に貢献しようとしている。

【参照情報】
UP by JawboneR with MotionXR Technology Empowers You to Live a Healthier Life [PDF] <プレスリリース>
Jawbone launches Fitbit-like UP wristband
Jawbone to release wristband health monitor
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