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[2012年第7週]スマートテレビ発進、LTEのMVNO、周波数割り当てやNTT施策に要望書

2012.02.20

Updated by Naohisa Iwamoto on February 20, 2012, 12:00 pm JST

この週は、モバキャスのサービス開始や対応端末の発表があったほか、スマートフォン向けの動画サービスに関連するニュースが相次いだ。スマートテレビ時代の到来を思わせる2012年春のニュースだ。

モバキャス、NHK、ひかりTVなど、スマホ動画サービス続々

まずはモバキャスの話題。NTTドコモは2012年2月16日、携帯端末向け放送「モバキャス」に対応した2機種の端末を発表した。1つはスマートフォンの「docomo NEXT series AQUOS PHONE SH-06D」で3月発売、もう1つはタブレット端末の「ドコモタブレット MEDIAS TAB N-06D」で4月発売を予定している。

株式会社mmbi
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携帯端末向けのV-Highマルチメディア放送「モバキャス」のサービスは、同日にmmbiが2012年4月1日から提供することを発表している。サービス名称は「NOTTV」で、月額利用料金は420円である。SH-06DおよびN-06Dは、4月1日以降にNOTTVの放送を楽しめる(関連記事:NTTドコモ、モバキャス対応のスマホ「SH-06D」とタブレット「N-06D」を発表)。

一方でNHKは、「NHKオンデマンド 平成24年4月の取り組み」として、「特選見放題パック」の見直し、スマートフォン・タブレット向けサービス強化、利用料金の携帯利用料金との同時引き落としサービスの提供を発表した。スマートフォン・タブレット向けサービスの強化としては、従来のFlash Video形式に加え、HLS形式を追加する。これによりiPhone、iPadなどのiOSデバイスでも番組の購入と視聴が可能になる。また、4月からタブレット版サイト(Android 2.2以降・iOS対応)を新設する(関連記事:NHKオンデマンドがスマートフォン・タブレット向けサービスを強化)。

NTTぷららは、モバイル専用の映像配信サービス「ひかりTVモバイル」の対応端末として、iPhoneやiPadなどのiOS端末を追加したことを発表した。これまでAndroid搭載スマートフォンなどに向けてサービスを提供していたが、同日からiOS端末で利用が可能になった(関連記事:NTTぷららの「ひかりTVモバイル」、iPhoneやiPadに対応)。

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IIJの個人向けLTEサービス、KDDIがスマホ向けサービス拡充

NTT網のMVNOとしてサービスを提供するインターネットイニシアティブ(IIJ)は、個人向けサービス「IIJmio」にLTE対応の「IIJmio高速モバイル/Dサービス」を追加する。2つのプランを用意した。「ミニマムスタート128プラン」は、128kbpsのデータ通信を月額945円で提供する。100MBあたり525円のクーポンを追加購入することで、下り最大75Mbps/上り最大25Mbpsの通信が可能になる。「ファミリーシェア1GBプラン」は月額料金は2940円で、1つの契約で3枚のSIMカードを利用できるプラン。複数のSIMカードで共通で利用できる1GB分のクーポンが含まれ、下り最大75Mbps/上り最大25Mbpsの通信が可能である。2月27日に提供を始める。併せてLTE対応のモバイルWi-Fiルーターも発売する(関連記事:IIJが個人向けにもLTEサービス、3枚のSIMを使い分け可能なプランなど)。

IIJmio高速モバイル/D サービス
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KDDIは、auスマートフォンを使って駅、空港、カフェなどの外出先で快適にインターネット接続ができる公衆無線LANサービス「au Wi-Fi SPOT」のスポット数が、7万を突破したことをアナウンスした。各社とも逼迫する携帯電話回線のデータトラフィックをオフロードするため、公衆無線LANサービスの展開を加速している(報道発表資料: 公衆無線LANサービス「au Wi-Fi SPOT」のスポット数が7万を突破)。

またKDDIは、中国の騰訊控股有限公司 (英語名:Tencent Holdings Ltd、テンセント) は、auスマートフォンにおけるインターネットサービスの利用を拡大するため「モバイルQQ for au」を協業で開始した。「モバイルQQ for au」はチャットアプリで、auスマートフォンからリアルタイムにメッセージをやりとりできる(報道発表資料:KDDI、中国最大のSNS事業者テンセントとスマホアプリで提携)。

公平性確保などを掲げ要望書を提出

イー・アクセスは、総務省に対して900MHz帯の割当てに関して要望書を提出した。その骨子は、「競願時審査項目の判断基準、および配点または優先順位に関して公表すべき」「開設計画申請書における競願時審査の対象となる申請内容についても開示すべき」ということ。審査における公正性・透明性の確保を要望する(報道発表資料:本日、総務省に900MHz帯の審査プロセスに対する要望書を提出)。

201202201200-3.jpg一方、KDDI、ソフトバンクグループ各社、イー・アクセス、ウィルコムを含む通信事業者やケーブルテレビ事業者各社は、総務省に以下の要望書を提出したと発表した。NTTおよびNTTファイナンスが、NTT東・西、NTTドコモ、NTTコミュニケーションズの料金の請求・回収業務の統合を発表したことに対して、公正競争に支障が生じないようにすることを求める要望書である。要望書では、NTTおよびNTTファイナンスによる施策は、NTTグループの経営資源が統合されるものであり、公正競争環境確保のためにこれまで講じられてきた移動体通信業務分離やNTT再編などの措置をないがしろにするものであると主張している
(報道発表資料:NTTファイナンス株式会社による料金請求・回収業務の統合に係る要望書の提出について(KDDI))。

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スマホ、タブレットの新端末、チップや法人向け端末も

その他のトピックスを紹介する。まずは端末から。ソフトバンクモバイルは、7.8mmと薄型で防水・防塵対応のスマートフォン「SoftBank 102P」(パナソニック モバイルコミュニケーションズ製)を3月上旬以降に発売する。悪意ある外部アクセスからデータを守る「パーソナルプロテクト」やロック解除した時だけ利用できる「セキュリティEメール」などでセキュリティーを高めた。レッツノートとBluetoothで連携して、スマートフォンからファイルの閲覧などが可能な機能も備える(関連記事:ソフトバンク、防水・防塵で有機EL採用の薄型スマートフォン「102P」)。

Eee Pad TF101-WiMAX | UQ WiMAX
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ASUSTeK ComputerとUQコミュニケーションズは、パソコンの遠隔操作も可能なWiMAX搭載タブレット「Eee Pad TF101-WiMAX」を発売する。10.1インチのIPS液晶を搭載するタブレット端末で、10インチクラスのタブレットとしては国内で始めてモバイルWiMAX通信機能を内蔵した。テザリンク機能も備え、最大6台のWi-Fi機器を接続して通信が可能である。標準装備のリモートデスクトップソフト「MyDesktop」を使うと自宅や会社のパソコンを遠隔操作できる(報道発表資料:コンシューマー向けWiMAX内蔵タブレット「Eee Pad TF101-WiMAX」を発表)。

ルネサス エレクトロニクスとルネサス モバイルは、シングルチップLTEコミュニケーションプロセッサを開発し、そのプロセッサを搭載したLTEトリプルモード・スマートフォン・プラットフォーム「MP5232」の製品化と提供を開始した。高い性能と拡張性を備えながら、スマートフォンの価格帯が携帯機器のボリュームゾーンである150〜300ドルを実現できるようにするためのソリューションとして低価格で提供する(報道発表資料:高機能スマートフォンのボリュームゾーン展開に貢献する、ルネサス初のシングルチップ搭載LTEスマートフォン・プラットフォームを製品化)。

最後に法人向けの取り組みを紹介する。NTTドコモ、NTTデータ、カシオ計算機の3社は、信用金庫の渉外業務に特化したスマートフォンの提供を開始した。磁気ストライプ(MS)リーダーを搭載し、FOMAネットワークを使った通信でリアルタイムにオンライン情報を照会できる。NTTドコモが提供する「スマートフォン遠隔制御サービス」でセキュリティーを確保し、NTTデータが提供する「しんきん共同システム」との親和性のあるシステムで運用する。第一号ユーザーは城北信用金庫で、全店に導入し同日から本格稼働を開始した(関連記事:信用金庫の業務に特化したスマートフォンをドコモなどが提供、城北信金が導入
)。

昨年の第7週のできごと

・アンリツ
・富士通セミコンダクター
・日立製作所
・NTTソルマーレ
・ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ
・NEC
・NTTドコモ
・富士通
・ACCESS

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。