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アップルとフォクスコン、中国製造工場の労働環境改善を確約 - 監査報告が発表に

2012.03.30

Updated by WirelessWire News編集部 on March 30, 2012, 09:47 am UTC

Fair Labor Association
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アップル(Apple)製品の受託生産を請け負うフォクスコン(Foxconn:富士康)中国工場の労働環境について監査を続けていたフェアー・レイバー・アソシエーション(Fair Labor Association:以下、FLA)が、この監査の結果をまとめた報告書を発表。長時間の残業など中国の法律やアップルの定めたガイドラインに抵触する例が多数確認されたことなどを受け、アップルはフォクスコンと協力して労働条件の改善にあたる考えを明らかにしている。

FLAは1ヵ月にわたり、中国3か所の工場で、iPhoneやiPadなどのアップル製品製造ラインで働く約3万5千人の労働者を対象に聞き取り調査などを実施。その結果、一人当たりの平均労働時間は週60時間を超え、労働法で定められた週49時間の上限を上回っていることが明らかになった。また不十分な残業手当や安全上の問題も発覚した。

アップルはこれまで自社による外注先や部品供給メーカーの労働環境に関する調査を実施してきており、今年1月に発表した報告のなかでは、サプライヤー各社のうち、同社のガイドラインで定めた条件を満たしているのは全体の38%に過ぎないという結果を発表していた。

非営利団体のFLAによる監査は、第3者による初めての調査となるが、同団体の代表者は、アップルの下請け工場の労働環境について「中国にある他の工場よりひどいという訳ではない」とWSJにコメントしている。

FLAの報告発表を受けて、フォクスコンは2013年7月1日を期限に、数万人を新たに雇用して給与水準を維持したまま労働時間を短縮すると発表した。また同社およびアップルは、残業代を十分に受け取っていない労働者には、さかのぼってこの支払いを行うとしている。

フォクスコンは2月に従業員に支給する賃金を最大で25%程度引き上げるとする改善策の実施計画をすでに明らかにしていた。

今週中国を訪問中のアップルのティム・クック(Tim Cook)CEOは、郭金龍北京市長や李克強副首相の会談に続き、現地時間29日には12万人の労働者が働く鄭州市のiPhone生産工場を訪れ、製品組み立てラインの様子を視察していた。

ティム・クック氏は、今年1月にNew York Timesが、アップル製品をつくるフォクスコン中国工場の実態について批判的に採り上げた調査報道記事を公開すると、その直後にFLAへの監査実施を依頼。またそれ以降、アップル社員や株主・投資家などに対して、この問題について徹底的な実態把握と改善を行うと繰り返し伝えてきていた。

フォクスコンは民間部門としては中国最大の雇用主で、従業員の総数は推定120万人ともいわれている。同社はアップルのほかデル(DELL)、ヒューレット・パッカード(Hewlett-Packard)、アマゾン(Amazon)、ソニー(Sony)、モトローラ(Motorola)、ノキア(Nokia)など、多数の顧客を抱えている。Reuterのインタビューに対し、FLA代表は、アップルおよびフォックスコンという影響力のある2社が手を組むことで、業界内の他の企業への波及効果が期待できると述べている。

なお、フォクスコンは今週はじめにシャープの株式9.9%を取得した台湾ホンハイ(Hon Hai PrecisionIndustry:鴻海精密工業)の中核企業。

【参照情報】
Audit Faults Apple Supplier - WSJ
Foxconn Auditor Finds 'Serious' Violations of Chinese Law - Bloomberg
Apple's Tim Cook Visits Foxconn IPhone Plant in China - Bloomberg
Apple Foxconn Investigation: Serious Worker Rights Issues Reported, Major Changes For Chinese Workers Promised - ABC News
Apple, Foxconn pledge to revamp worker conditions - Reuters
アップルのティム・クックCEO、中国の李副首相と会談
アップルのクックCEOが中国に - 訪問の目的をめぐって飛び交う憶測

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