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グーグル、今年秋にも複数の「Nexus」ブランド端末を同時発売の可能性(WSJ報道)

2012.05.16

Updated by WirelessWire News編集部 on May 16, 2012, 10:58 am JST

グーグルが、自社ブランド「Nexus」シリーズのスマートフォンやタブレットを、複数のハードウェアメーカーと協力して開発し、今年秋にも同時に発表するのではないかと、Wall Street Journal(WSJ)が米国時間15日が報じている。

WSJが、事情に詳しい関係者の話と伝えたところによると、グーグルはAndroid OSの次期バージョン(ver. 5.0「Jelly Bean」)に関し、最大で5社の端末メーカーに優先的に情報を提供し、新たな「Nexus」シリーズ端末の開発を促す考えだという。また、これらの端末は11月下旬の感謝祭(年末商戦期の始まり)までに用意され、同社のオンラインストア「Google Play」で売り出されるとされている。なお、これらの端末がいわゆる「SIMロックなし」で発売される可能性も指摘されている。

グーグルはこれまで自社ブランド端末について、各バージョンごとに特定のメーカー1社をパートナーとして、製品の開発を行ってきた。たとえば初代の「Nexus One」ではHTCが、また「Galaxy Nexus」ではサムスン(Samsung)がパートナーとなっていた。

今回明らかになった方針転換の可能性については、スマートフォンやタブレット向けのアプリケーションへの同社のコントロールを強めたり、端末販売に関する通信事業者の影響力を弱める狙いがあるとの指摘も見られる。また、グーグルが買収を予定するモトローラ・モビリティ(Motorola Mobility)について「特別扱い」の可能性を懸念する他のAndroid端末メーカーに対し、グーグルが配慮したためという見方もある。

過去にいわゆる「ネット中立性」などの問題で、既存の通信事業者と対立した経緯もあるグーグルでは、「Nexus One」を「オンライン直販」で販売し、携帯通信事業者に頼らない形で流通させようとして結果的に失敗。また、昨年発表したモトローラ買収については、当初「同社が持つ特許権の取得が主目的」と説明していた。

しかし、ハードウェア、ソフトウェア、サービスのすべてを自社でコントロールするアップルなどとの競争が激化するなかで、今年に入ってからはハードウェア関連の動きが目立ってきている。3月にはアマゾン(Amazon)の「Kindle Fire」と競合しそうな「Nexus」ブランドの低価格タブレット投入の可能性が浮上、また4月下旬には「Google Play」での「Galaxy Nexus」販売も開始している。

なお、9to5Googleでは、現在Androidユーザーで最新バージョン(「Ice Cream Sandwich」)を使用しているユーザーが5%に留まるのに対し、1つ前のバージョン(「Gingerbread」)を使用しているユーザーがいまだに65%も存在するとの数字を挙げ、こういった状況がグーグルの新たな取り組みによって次のバージョンでは大きく変わるのでないかと予想している。

【参照情報】
Google to Expand Mobile-Device Partnerships - WSJ
WSJ: Five Nexus handsets to be available by Thanksgiving 2012 - running Jelly Bean - 9to5 Google
Google to sell flagship Nexus devices with multiple partners this fall, reports WSJ - The Verge
グーグル、米国でスマフォ直販に再挑戦 - 「Galaxy Nexus」をGoogle Playで販売開始
グーグル、独自ブランドのAndroidタブレットは「オンライン直販」に - WSJ報道
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