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FCC、メディカル・ボディ・エリア・ネットワークに周波数割り当て

2012.06.08

Updated by WirelessWire News編集部 on June 8, 2012, 17:00 pm JST

FCC
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5月24日、アメリカの連邦通信委員会(FCC)はMBAN(Medical Body Area Network)に用いる機器が使用する周波数帯と機器の開発に関するルールを公開した。MBANとは患者の身体に装着するセンサーと制御用ハブ装置から成る低消費電力ネットワークのことで、センサーは患者の情報をハブに上げ、あるいはハブからの指令で身体の特定の部位に治療を施す双方向通信を行なう。ハブは患者の身体の近くに設置する。

割り当てられた周波数帯は2,360-2,390MHz帯の30MHz幅と2,390-2,400MHz帯の10MHz幅で互いに隣接している。Wi-Fiの2.4GHz帯の隣なので、無線LAN用のチップセットの微修正で対応できることから安価な無線モジュールが開発されると期待されている。前者の30MHz幅は病院内など屋内での利用に制限されるが、帯域幅を広く取ってあり、大部屋や待合室、エレベータロビーなど多数のMBAN機器が同時通信することを想定している。後者の10MHz幅は屋外や家庭での使用を想定している。周波数使用には登録と調整が必要。これらの周波数帯は国防省や電気通信情報局(NTIA)が使っていたもの。30MHz幅の方は航空機のテストパイロットなども使っていたという。

MBANの用途としては、
・胎児のテレメトリー:胎児の健康状態を常時監視。母親は自由に動き回れる。
・ライフライン・ホームケア・ペンダント:高齢者や慢性疾患患者の健康情報を収集。
・予防早期警報システム:患者の状態の急変を検知する機器。
などが想定されている。

FCCはかつてWMTS(ワイヤレス・メディカル・テレメトリー・サービス)を進めていたが、こちらはビル内限定で集中治療室など重病や重症の患者を遠隔モニターするためのものであり、MBANとは用途が異なる。

干渉問題を複雑にすることを避けるため、センサーが通信できるのはハブだけで、ハブは固定網、セルラー網、あるいはWi-Fi経由でWANに接続する。センサー相互、ハブ相互の通信は行なえない。いたずらに「メッシュ」にしてしまうと干渉のリスクが高まるためだという。

【参照情報】
FCCのルール(doc)
FCC Approves Dedicated Wireless Spectrum for Hospital Medical Sensors
FCC opens new chapter in wireless medical devices
FCC Gives Medical Body Area Networks Clean Bill of Health

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