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[2012年第27週]UQが純増トップ、楽天は7980円端末で電子書籍参入、auと「LINE」

2012.07.09

Updated by Naohisa Iwamoto on July 9, 2012, 17:30 pm JST

この週は九州などで大雨の被害があり、携帯電話事業者各社は災害救助法が適用された大分県の一部地域に通信料金などを支援する措置を取った。一方、業界のニュースとしては、契約数の統計数値の発表や、楽天の電子書籍サービス参入などのトピックがあった。

純増シェアでまさかの逆転、スマホOSはAndroid優勢

電気通信事業者協会(TCA)は2012年6月末の携帯電話・PHSなどの事業者別契約数を発表した。6月のトピックは、ここ数年の純増数ではトップが定位置になっているソフトバンクモバイルの純増数22万2300を、UQコミュニケーションズの24万5200の純増数が上回ったこと。一方、NTTドコモは純増ながらわずかな伸びで、ソフトバンクグループでAXGP方式のサービスを提供するWireless City Planningの純増数を下回る"最下位"となった(関連記事:6月の純増数、UQがソフトバンクを抜いてトップに、ドコモはWCPを下回る最下位)。

スマートフォンの順調な成長を示す統計数値もある。IDC Japanは、2012年第1四半期の国内モバイルデバイス市場の出荷台数を発表した。2012年1Qのスマートフォン出荷台数は、前年同期比68.2%増の655万台。前四半期に続い2期連続で600万台を超える出荷を記録した。好調の理由としてIDC Japanでは「スマートフォン需要が一般ユーザーへも広がりを見せたこと」「大手通信事業者が販売奨励金を上積みする販売戦略を継続したこと」を挙げている。OS別ではiPhoneのiOSを抑えて、Androidが3分の2近いシェアを確保していることがわかった(関連記事:スマホのOS別シェアはAndroidが65.6%--IDC Japan調べ)。

楽天は7980円の電子書籍リーダー

電子書籍サービスが国内でも広がる可能性が少し出てきたのかもしれない。

楽天は、子会社のKobo.Inc(本社:カナダ・トロント市)が日本での電子書籍サービスを7月19日に開始するとはっぴゅ押した。電子書籍リーダーは「kobo Touch」で、7980円という戦略的な価格。E Inkの電子ペーパーを搭載し、1台で最大約1000冊のコンテンツをダウンロードできる。Wi-Fiにより通信を行う。Koboの電子書籍サービスは、日本語以外のコンテンツも含めると240万冊を用意する。コンテンツのフォーマットはEPUB3.0で、日本語の縦書きやルビ表示にも対応する(報道発表資料:楽天グループのKobo社、日本での事業をスタート )。

電子ブック楽天<kobo>
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Amazon.co.jpも国内で電子書籍リーダー「kindle」を発売することを明らかにしている。詳細は明らかになっていないが、Amazon.co.jpのサイトでも近日発売の文字が大書されている。楽天とAmazonの2社が国内で電子書籍サービスを本格化させることで、電子書籍は少なくともこれまでよりも一般化するだろう。

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提携や新会社設立で手を広げる

携帯電話事業者が他者と連携することでサービスの幅を広げる動きが目立った。まず最初はKDDIとNHN Japan(以下NHN)の業務提携。KDDIのスマートフォン向けサービス「auスマートパス」と、無料通話・無料メールができるNHNのスマートフォンアプリ「LINE」の双方のサービスを連携させる。サービス連携の方法は、auスマートパスを利用しているユーザーに向けて、2012年9月にauスマートパス限定バージョンの「LINE for auスマートパス」を提供し、LINEの登録や利用促進につなげる(関連記事:KDDIとNHNが業務提携、auスマートパス限定「LINE」を提供)。

NHN JapanとKDDIの業務提携について
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次は、NTTドコモとオムロンヘルスケアの新会社設立。「ドコモ・ヘルスケア」の名称で、健康に関するデータを一元管理するサービスを提供する。ドコモ・ヘルスケアの主な事業内容は、健康や医療に関するデータを、管理・活用・共有するプラットフォーム事業の提供。スマートフォンとオムロンヘルスケアの体重体組成計や血圧計、睡眠計などの健康機器を連携させ、測定したデータを簡単にクラウド上のサービスで蓄積・管理する環境を整える(関連記事:ドコモとオムロンヘルスケア、健康支援サービスの新会社を設立)。

ゲーム分野ではKDDIと3rdKindが提携した。「auスマートパス」をなどの日本国内のアプリ・マーケットへ海外ゲームを提供する「海外ゲーム・パブリッシング事業」を共同で行う。両社は、業務提携の第一弾として「クロスフィンガー」、「パニック フライト」の日本語版を「auスマートパス」で提供する(報道発表資料:KDDIと3rdKindの業務提携について)。

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スマートフォンをより幅広く活用

その他、スマートフォンの利用の幅を広げる周辺機器やサービスなど、注目のトピックを紹介する。オリンパスは、超小型ウエアラブルディスプレイの試作機「MEG4.0」を開発した。外界の視界を遮ることなく、ディスプレイの表示をみることができる。スマートフォンなどとBluetoothで接続して利用可能である。独自の光学系を採用するため視野を遮る部分が少なく、利用者の外界視界はほぼ100%確保できるという。日常生活でも利用できることを前提として、メガネに簡単に着脱できる(関連記事:オリンパス、スマホ連携も可能な超小型ウエアラブルディスプレイ)。

オリンパス ニュースリリース
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ジャストシステムは、タブレット端末に最適化したAndroid端末向け日本語入力システム「ATOK for Android ver.1.3.0」の提供を始めた。タブレット端末の大きな画面でも入力しやすいように工夫している。工夫の1つが。QWERTYキーボードを2分割して画面の左右に配置できるもの。両手での入力がしやすくなる。また、テンキーパネルを画面の左右に寄せて配置するインタフェースも用意し、片手でも容易に日本語入力ができるようにした。価格は新規購入で1500円、すでにアプリを利用していれば無償でGoogle Playでアップグレードできる(報道発表資料:タブレット専用の入力インターフェースを新搭載したAndroid端末向け日本語入力システム「ATOK for Android」を、本日公開)。

キングジムは、iPhoneと直接ドッキングさせて使える小型のスキャナー「iスキャミル ミニ」を発売する。Dockコネクタで接続し、スキャナ本体に書類や写真をセットして専用アプリ「i-Scan mini」でスキャンを始める。解像度は600dpi、読み取り寸法は幅約105mm×送り254mmまで。対応するのはiPhone4S/iPhone4/iPod touch(第4世代)で、スキャナーとして使わないときは充電台としても利用できる(報道発表資料:ドッキングスキャナ「iスキャミル ミニ」発売)。

最後にNTTドコモのサービス。気象データや天気予報を中心とした情報を提供するポータルサイト「ドコモ環境ライブ」の提供を開始した。全国約4000カ所の環境センサーネットワークで観測しているリアルタイムの気象や環境情報を提供する。サービス開始当初は、夏向けの企画として、UV対策、熱中症・節電対策などのコンテンツの提供、関連するアプリケーションなどの情報提供も行う(報道発表資料:環境センサーネットワークによる「ドコモ環境ライブ」を提供開始)。

昨年の第27週のできごと

・スマートフォンへのシフトが着実に
・高速データ通信サービスが着実に進展
・スマートデバイスの利便性を高めるクラウドサービス
・提携や協業でサービスが広がる

[2011年第27週]今年度にもスマホ出荷が半数に、WiMAX 2実験実施、法人向けクラウド型ドキュメント配信サービスが続々

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。