[2012年第29週]2年契約の解約金は無効? ソフトバンク4Gも月3880円、Android搭載のSTB
2012.07.23
Updated by Naohisa Iwamoto on July 23, 2012, 12:00 pm JST
2012.07.23
Updated by Naohisa Iwamoto on July 23, 2012, 12:00 pm JST
携帯電話の基本プランは2年の継続契約と引換に基本利用料を割り引く形のものが定着している。一方で、2年の契約満了時以外に解約すると9975円といった解約金を請求される。これを不当とした訴訟で、原告側の主張を一部認める判決が出た。そんな中で、キャリアーからは料金を割り引くキャンペーンや新しいサービスのアナウンスがなされている。
京都地方裁判所は、「携帯電話の2年契約を中途で解約すると9975円の解約金を請求されるのは不当」だとKDDIを訴えた裁判で、原告側の主張を一部認める判決を言い渡した。KDDIに対して、解約金を支払うことを示した解約金条項の使用を禁じるとともに、23カ月目と24カ月目に解約した2人の原告に対して解約金の一部を支払うように命じた。
2年契約の中途解約により解約金を支払わなければならいプランは、NTTドコモやソフトバンクモバイル、イー・アクセス、ウィルコムも同様の仕組みで提供している。今回の原告団である京都消費者契約ネットワークはNTTドコモとソフトバンクモバイルに対しても訴訟を起こしており、今後の行方が注目される(参考資料:NPO法人京都消費者契約ネットワークの取り組み)。
そうした中でも顧客の囲い込みを強める新しいキャンペーンなどは続々と登場している。ソフトバンクモバイルは、次世代高速通信サービス「SoftBank 4G」を月額3880円でずっと使い放題にできる「4Gデータ通信バリューキャンペーン」を8月1日から開始する。「SoftBank 4G」の料金プランとして現行では月額5985円の「4Gデータし放題フラット」(2年契約)を提供しているが、キャンペーン適用により月額3880円で使えるようになる(報道発表資料:「4Gデータ通信バリューキャンペーン」を開始)
UQコミュニケーションズは、WiMAX Speed Wi-Fi 「Wi-Fi Walker DATA08W」を最大2カ月間にわたり無料で利用できるキャンペーンを開始した。9月30日までの期間中にDATA08Wを新規申し込みしたユーザーが対象となる。UQコミュニケーションズは2012年7月14日にWiMAXサービスの累計契約数が300万件を突破したことをアナウンスしたばかり。高速通信を体験を割安にできるキャンペーンの提供で、一層のテコ入れを行う(関連記事:UQ、WiMAX+auのモバイルルーターを2カ月無料で使えるキャンペーン)。
日本通信は、ノートPCで高速モバイル通信を分単位で利用できるb-mobile4G hoursの更新ライセンス(パッケージ版)の提供を開始した。「b-mobile4G更新ライセンス130時間」は、10カ月または130時間までの利用権を3万1800円(1分当たり約4円)で購入できるサービス。契約手続きが不要で購入した時だけ経費精算すればいいことや、利用時間で管理できるわかりやすさから、法人ユーザーなどでの利用に適しているという(報道発表資料:)。
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通信の新しい利用法への取り組みもあった。KDDIは、ケーブルテレビ用のセットトップボックス(STB)として世界で初めてAndroid 4.0をOSに採用した「Smart TV Box」を開発したと発表した。Smart TV Boxは、パナソニックの協力を得て開発・製造するSTB。地デジ、BS、ケーブルテレビの放送受信機能に加えて、Wi-Fiアクセスポイントの機能も備える。自宅のテレビでのコンテンツ視聴に加えて、タブレット端末やスマートフォンなどのWi-Fi機器からYouTubeやニコニコ動画などのコンテンツを楽しむことができる(関連記事:KDDI、Android 4.0を搭載したCATV向けSTB「Smart TV Box」)。
NTTドコモは、東京大学医学部附属病院(東大病院)との共同研究において、4つの医療支援システムを共同開発したことを発表した。共同研究は2009年9月から3カ年にわたり実施しているもので、携帯電話などのモバイル情報機器を活用した医療情報環境の構築を目指す。共同開発した4つのシステムは、「携帯電話を用いた外来患者受付システム」「携帯電話を活用した2型糖尿病患者の自己管理支援システム」「遠隔での心電図診断を可能とするクラウド型モバイル12誘導心電図システム」「スマートフォンを利用した個人医療健康情報管理システム」。NTTドコモでは、実証試験の成果を生かして東大病院での実用化を目指す(関連記事:ドコモと東大病院、携帯電話を用いた外来患者受付など4システムを開発)。
そのほか、この週のトピックを紹介する。NTTドコモの公衆無線LANサービス「docomo Wi-Fi」がエリアを拡大している。7月20日には、基町クレドパセーラ、広島本通商店街、ローソンなど全国で計2808カ所の新規エリアでdocomo Wi-Fiが使えるようになったとアナウンスしている。それ以前でも7月10日に2121カ所、6月29日に1927カ所と着実にエリア整備をしてきており、Wi-Fiオフロードに本腰を入れてきた(報道発表資料:新規サービスエリア情報)。
KDDIと住友商事は、節電をアドバイスする生活支援サービス「エコビト」の事業化に向けて、無償のトライアルサービス「エコビトとらいある」を7月30日に開始する。「エコビトとらいある」では、ユーザー宅内に高精度の電力量センサーを取り付け、PCやスマートフォンで家庭の使用電力量や太陽光発電量を「見える化」する。また、電力使用状況などのユーザー情報を元にして分析することで、最適な節電行動をアドバイスする(報道発表資料:お客さまのライフスタイルに合わせて節電をアドバイスする「エコビト」のトライアル提供について)。
▼お客さまのライフスタイルに合わせて節電をアドバイスする「エコビト」のトライアル提供について 〈別紙〉
九州の豪雨に支援の手。NTTドコモとKDDI、ソフトバンクモバイルの3社は2012年7月20日、九州北部豪雨の被災地に対する支援として募金の受付を開始したことをそれぞれ発表した。NTTドコモはドコモ ケータイ送金を利用した寄付とドコモポイントで寄付する方法を提供。KDDIと沖縄セルラー電話は、「壁紙」や「待ち受け Flash」の売上金額を寄付する。ソフトバンクモバイルは、デジタルコンテンツの売上や特番の音声メッセージの通話料金が寄付になる4つの方策を提供する(関連記事:九州北部豪雨被災地への募金、ドコモ、KDDI、ソフトバンクが受付開始)。
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