米ITC、アップルの訴えを却下 - HTC製品の緊急輸入差し止め要請で
2012.07.04
Updated by WirelessWire News編集部 on July 4, 2012, 10:48 am JST
2012.07.04
Updated by WirelessWire News編集部 on July 4, 2012, 10:48 am JST
米国際貿易委員会(U.S. International Trade Commission:以下、ITC)は米国時間3日、HTCのAndroidスマートフォンやタブレット端末など合わせて29機種を対象に、緊急の輸入差し止め措置を求めていたアップル(Apple)の訴えを却下した。
アップルは、これらの機種がいずれも昨年12月にHTCによる侵害が認められた「データタッピング」に関する特許を現在も侵害しており、それらの機種が米国へ輸入されつづけていることで、アップルが大きな損害を被っていると主張していた。
これに対し、ITCは今回の却下の理由について「アップルは、暫定的な緊急措置を講じる必要があることを示す十分な証拠を示していない」とし、「HTCがITCの限定的な排除命令に違反していると判断するために必要な情報がなく、税関に当該のHTC端末の差し止めを指示することはない」としているという。
この訴訟で争点となっているのは、アップルが1999年に取得した特許(米特許番号 5,946,647号)で、メール文中に含まれる電話番号や URL を自動的に検出し、通話アプリやウェブブラウザで開く機能が含まれる。ITCの判決では、検出された電話番号やメールアドレスをクリックした後にメニュー画面が表示される仕様が問題視されていた。
いっぽう、HTCはこの問題に関して、自社の端末やソフトウェアに変更を加えたと主張している。この点について、The Vergeが米国版のHTC端末「One X」と他国向けの「One X」を比較したところ、他国版では電話番号やメールアドレスのクリック後にメニュー画面が表示されるのに対し、米国版では直接電話アプリやメーラーが立ち上がるとともに、デフォルトアプリを選択する「app associations」画面が表示されるようになっていたという。
アップルはAndroid端末メーカー各社を特許侵害で訴えており、米国時間26日にはサムスン(Samsung)のタブレット端末「Galaxy Tab 10.1」、同29日に同じくサムスンのAndroidスマートフォン「Galaxy Nexus」の販売差し止め命令も獲得していた。また、HTCに対しては4G/LTE関連の2つの「必須標準特許」(「FRAND」特許)の濫用でも訴えを提出している。
【参照情報】
・Apple's Bid for Emergency Ban on HTC Android Phones Bounced - ATD
・Apple Loses Bid for Emergency Ban on HTC Phone Imports - Bloomberg
・ITC investigates Apple's enforcement complaint against HTC -- but no new ban for now - FOSS Patents
・HTC製スマートフォン、米国市場の投入に遅れ - 対アップル特許訴訟の影響で
・米ITC、アップルの訴えを認める最終判断 - HTC製Android端末に輸入差し止め命令
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