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グーグルの「Safari」プライバシーポリシー問題 - FTCへの罰金支払いで決着へ(WSJ報道)

2012.07.11

Updated by WirelessWire News編集部 on July 11, 2012, 10:33 am JST

グーグル(Google)が、アップル(Apple)のウェブブラウザ「Safari」のプライバシーポリシーに反する行為を行ったとして問題視されていた件で、米連邦取引委員会(Federal Trade Commission:以下、FTC)が同社に課す罰金が2250万ドルとなる可能性が高いとWall Street Journal(WSJ)が報じている。

関係者がWSJに語ったところによると、グーグルとFTCの間では、2250万ドルの罰金を支払うことで話がまとまっており、現在はFTCによる正式な承認待ちの段階だという。今回の罰金額は、グーグルにとってはおよそ5時間分の収入に過ぎないだが、FTCが1社に対して課す罰金としては過去最高額となる見込み。

この問題は、サードパーティーによるクッキー(Cookie)をブロックするという設定下でも、グーグルのCookieがSafariブラウザのシステムをすり抜けてユーザーのウェブ閲覧履歴を収集していたというもので、今年2月にスタンフォード大学研究チームの調査によって明らかになっていた。

Safariでは、ユーザーと広告との間でインタラクションが発生した場合に、その広告主のCookieをユーザーのブラウザに付与できる仕組みとなっている。グーグルの子会社ダブルクリック(DoubleClick)が配信を手がける一部の広告では、見えないフォームを自動的に送信することで、ユーザーとの間でインタラクションが発生したように見せかけ、Cookieを埋め込んでいたという。

なおグーグルは、この問題が発覚してすぐに、問題となるCookieファイルを削除している。今回のFTCの調査に関し、同社は、「FTCは2009年のヘルプ記事を元に調査をしているが、我々はすでにそのページを変更しており、Cookieも取り除いている」とコメントしている。

グーグルは2010年にSNSサービス「Google Buzz」を開始した際、自社のプライバシーポリシーに違反しているとしてFTCの調査を受けていた。同社は翌2011年10月、この問題を解決するため、FTCとの間で個人情報取り扱いに関してユーザーを誤解させる言動はとらないとする同意判決にサインしていた。その同意判決には、20年間のうちに違反がみられた場合の罰則として、違反一件につき一日あたり16,000ドルの罰金が定められており、それが今回の罰金の根拠となっているという。

【参照情報】
Google, FTC Near Settlement on Privacy - WSJ
Thou Shalt Not Lie: FTC set to hit Google for millions over Safari incident - GigaOM
グーグルなど、ユーザー行動追跡に「Safari」の抜け道を利用 - プライバシー問題再浮上

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