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通信業界はグローバル人材とか言ってる暇はない件

2012.08.24

Updated by Mayumi Tanimoto on August 24, 2012, 08:24 am JST

このところ、日本では「グローバル人材なる物」が流行っているようであります。

ワタクシのTwitterにも

「俺はグローバル人材になりたいんです。今はエロサイトの構築やってるニートで、あと、俺、朝鮮は嫌いなんですよ。例のデモにも参加してみました」

「グローバル人材目指してるのでフィリピン英会話に行きたいです!ホームステイとかできますか。(=´∀`)人(´∀`=)」

「外人は全部優しいですよね~憧れちゃいますo(^▽^)ユミはいまアラサーでピラティス大好きで~す。グローバル人材目指してリョウ君が宣伝してるあの教材買ったんですけど、どうやって勉強したらいいか、おちえてくだちい」

という相談が毎日の様に届きます。

「グローバル人材」とは、日本では最低限英語が流暢で、外国でバリバリ仕事ができる人、という「ぼんやりした」イメージで語られる人のことを指すようでありますが、日本と韓国の外では誰も知らないTOEICという英語の試験の点数が高いと「俺ってグローバル、ひゃっはー!!」というノリのようにございます。

日本の通信業界におきましても「グローバル化だな〜、俺のところもグローバル人材育成に力をいれてましてね、最近TOEICの補助金増やしたんすよ!ね、いけてるでしょ!」とおっしゃる方がいたりするのでございますが、あなた、甘い、なんですか、そのTOEIC何とかは!!

あんた、「スミスさんわあああ、道でええ、書類おおおお、落としましたああ」というTOEICのあのアフォみたいな英語の聞き取りができたからって、あのエグいインドやロシアの通信屋とか、嘘ばっかりの部品屋とか、夏になるとデバイスもシフトもほっぽってイビサ島で不順異性交遊するためにブーンと飛んでいてしまうあの技術者を説得できると思ってんですか。

「夏は暑いからデバイス熱暴走しました、鉄塔たおれました、俺知らねえだって暑いから仕方ない」という人々から賠償金取れると思ってんですか。

電話局がゲリラに爆破される国で状況確認しながらサービス回復できると思ってんですか。

甘い、甘い、甘すぎる!甘酒にコンデスミルクを五キロぶち込んだ物より甘い!

イギリスやフランスやドイツやアメリカの通信屋におきましては、英語なぞ流暢なのはあたり前でして、その上に、アラビア語とかロシア語ネイティブの外人をバンバン雇いまして、エグい交渉なり買収なりやってるんでございます。

その方々は、先進国の一流校をでていて、五カ国後ぐらいベラベラで、しかも人格も良く、全世界回って仕事するグローバルノマドなんであり、日本のリーマンの数倍稼ぐツワモノであります。ゴーンさんみたいなのがいるわけです。

日本の外の通信屋はこういう「傭兵」を雇って戦ってましてね、グローバル人材とは何かなんて寝ぼけた議論はやってないんですよ。

俺海外マーケット担当なんだけどお、英語わかんねえしいい、とか言ってるあなた、15年後にあなた様のお仕事はないわけですよ。

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谷本 真由美(たにもと・まゆみ)

NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。