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IoTとAIの成功には「何をしたいか」が重要

Requirements are the key for IoT and AI

2016.12.27

Updated by Mayumi Tanimoto on 12月 27, 2016, 11:09 am JST

今年もAIとIoTが盛り上がっていましたが、様々な議論を眺めていると、ああ、分かってないなあという議論が多いことが気になります。

テレビや新聞、雑誌の議論の多くは「実際運用した場合どうなのか?」という視点や体験談が抜け落ちていることがあまりにも多いのです。

そもそもこのコラムでも何回か指摘しているのですが、AIとIoTもビッグデータと似たような勘違いをしている人が多すぎます。

例えばビッグデータの場合、その実態というのは「大量のデータを集めて解析してビジネスや政策などの意思決定に生かすこと」にすぎないわけで、その根本は、これまでの統計分析と何ら変わりません。

技術の進化でデータの量が巨大化したり、これまで取れなかったようなデータが取れなかったり、昔に比べると迅速に解析できるようになったというだけです。

そして、ビッグデータをうまく使うには、「どういうデータを集めて何をしたいのか?」を明確化することが重要であって、まずは戦略がしっかりしていないと話になりません。

次に、データを収集して、どうやってその質を精査するか。

そういう作業には莫大な費用と手間と時間がかかります。しかも、データの質を精査できる人だって実は多くなくて、質の審査は完全な機械化は無理です。

例えばうちの家人は応用経済学者なので、様々な新興国の産業データの統計分析をしますが、中国やガーナのデータは、データの集計の仕方、回答者の回答方法などが様々で、適当なものもかなり含まれているので、使えないデータも多い。

どれが使えて、どれが使えないかを見るのは人力です。見ることができる人は多くはなく、新興国のデータの場合、その完全な機械化は無理です。どうやってデータを集めて、回答したのは誰か、そういう基礎的なことを調べて、当事者に確認しなくてはなりませんから。そんな複雑なことは、今の時点では機械には不可能です。

これはIoTもAIも全く同じで、それらを使って何をしたいのか、そして、上がってきたデータはどうやって審査して、どういう方法で解析したり出力したいのか?それを誰がやるのか?いくらぐらいかかるのか?そういう現場の具体的な視点がかけている人があまりにも多く、「戦術」を欠いたままで、IoTやAIを入れれば問題は全て解決すると言っているような人が少なくありません。

インターネットや自動車の仕組みというのが初期から大きくは変化していないように、ビッグデータもIoTもAIその根本は同じです。IoTの「機械対機械の通信」なんて昔からありました。AIだって今AIだといわれている物は、厳密な意味ではAIではなくて単なるソフトウェアのこともあります。

しかし、バズワードを当てはめてしまうと、原理原則は変わらないということを忘れてしまう人が多いようです。

 

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谷本 真由美(たにもと・まゆみ)

NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。

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