イギリスでは在宅勤務が盛んであります。特にIT業界では普通であります。
日本の方から「なんで海外では在宅勤務が可能なんだ?!?!」と質問を受けることがあります。制度が違う、文化が違うと色々理由があるわけですが、個人的には最大の理由は個人の業務範囲が明確で、業績評価が成果物ベースであること だと思うんですよ。
つまり
ー誰さんは何をやる
ーいつまでにやる
ーどれだけやる
ー何を持ってできたとする
ー確認は誰さんがどのようにやる
ー約束した以上の成果がでたらいくらのボーナスを払う
「誰さんが、何を、いつまでに、どのぐらいやる」が、仕事をやる前に決まっている、わけです。これらを文書やらシステムに落として、人事やマネージャーや大きなボスが確認します。透明化するわけです。
要するにサーバの運用管理と同じです。どのサーバは何のアプリをホストして、どれだけ稼働してます、と可視化するあれです。それを人にもやるわけです。
これ、正社員だろうが、インターンだろうが、短期雇用にコンサルだろうが同じです。短期雇用のコンサルや外注の会社の場合は雇用契約じゃなくって、委託契約で「何々を何日までにやる」というのが決まっているわけですが。先に決まってるから、どこで何をやって、いつ終わらせようが関係ないわけです。だから家で作業できるんです。
ちなみに、「誰さんが、何を、いつまでに、どのぐらいやる」は、経営者が「俺これをやります!」と決めた目標を細分化した物です。
実はワタクシの本業の一つは、ITガバナンス(どうやってITを統括すべきか)とかITのサービスの品質管理(何をどのぐらい動かしてどのぐらいの結果を得る)とか、プロセス改善(誰さんが何をどういう手順でやる)なので、「誰さんが、何を、いつまでに、どのぐらいやる」の整理やら文書化やらを一年中やっております。
日本の組織も見てきましたけど、日本だと丸投げしちゃったり、そもそも評価がなかったり、紙に落としたりしないことが珍しくなく、「誰さんが、何を、いつまでに、どのぐらいやる」を整理しないで勢いだけで走ってしまうということが少なくない様です。あっても曖昧だったりします。
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登録はこちらNTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。