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馬は旨い

2013.02.18

Updated by Mayumi Tanimoto on February 18, 2013, 06:23 am JST

イギリスではスーパーの冷凍ハンバーガーやらミートボールに牛肉100%と書いてあったのに、実は馬肉がたんまり入ってました、という肉偽装疑惑で大騒ぎになっております。何年も偽装されていたようでありますが、DNAテストをやってやっとわかったということで、ここでもイギリス人の激しい舌の鈍さが存分に発揮されております。

今の所誰も死んでいません。

この偽装疑惑でありますが、イギリスから輸出されたお馬様がフランスに輸出されて加工されて逆輸入された、ルーマニアやアイルランドで加工された馬がイギリスに輸入された、オランダの食肉会社が絡んでたと、肉がヨーロッパ中をグルングルン回っていたんだなあというのもわかり、日本の某食肉偽装事件とか不二家事件よりも、インターナショナルでグローバルな香りを醸し出しております。

さて、食べられてしまったお馬様は、かなり強烈な薬を使っていたので汚染されているという話もあるのですが、加工された時点でかなり薄まっていたので問題はない様です。問題はイギリスでは馬というのはペットにする物なので、馬肉=犬肉=猫肉、みたいな感覚なので「うえええ!!!食ってしまったよ!」と大騒ぎになっているというわけです。

ちょっと金がある人は、郊外の農場とか買ってですね、自分の馬を飼育して、「宅は乗馬をやっておりますのよ。ほほほほ」と近所に見せびらかすのです。道路にいきなり馬で登場してくださいます。はっきり言って邪魔です。

それでそのお馬さんに乗って、猟りに行って、鳥とか鹿なんかを銃でバンバン銃撃するんですね〜。もちろん実弾射撃ですよ〜。でも馬は可哀想だから食べないんですよ。鹿とキツネと鳥とウサギは「師ね!師ね!師ね!」と銃撃するんですがね。

あと、もっと金がある人は、スコットランドの山奥にジープで行って何日も狩りをやったり、アフリカまで行って象とか銃撃するんです。ちなみに女王様も鹿の銃撃が大好きですよ。自分で車運転して銃抱えて銃撃に行くんですよ。凄い強靭なんです。ダイアナ妃はそういうハンティングとか山とかドロドロになる活動が大嫌いで、その件で、嫁姑の激しい抗争が繰り広げられたという噂もあります。そういえばハリス王子様はアフガニスタンで人を銃撃してますね。

マーヴィン•ハリスの 食と文化の謎 などを読みますと、良くわかるのですが、昔はイギリスでも馬肉は食べていました。しかし、経済的効率性の点から食べなくなってしまったのですね。でも戦争中は食べてたんですよ。人が何を食べるか、何が悪いかなんて、時代と場所が変われば簡単に変わってしまう物です。

ちなみに、隣国おフランスでは馬様は食べ物でございます。ワタクシが四年ほど住んでおりましたイタリアでもお馬様は人気食材で、スーパーに行くと薄切り肉がパックで売っていてお手頃価格です。フライパンでさっと焼いて食べたり、ひき肉をミートソースにします。ちなみに両国ではホルモン料理も結構ありまして、牛やらの内蔵も色々加工して食べますが、イギリス人はおハイソなので、キドニーパイ以外はそういう物は食べません。戦争中は食べてたらしいんですが今はさっぱりであります。

馬肉を食べるか食べないか、臓物を食べるか食べないかも、イギリスさん対大陸欧州さんのDisり合戦のポイントになっています。

今回の事件は大陸欧州側の会社がイギリスさんを騙したという構図です。イギリスさんはここ数年「もうEUはいやでござる。やめたいでござる。DQNばかりでござんす。上納金払いたくないでござる。なんで国家ニートのギリシャとか国家的バカのイタリアを食わせなくちゃならないんでございますか」と散々花火を打ち上げて、悪の枢軸国家ドイツさんを「俺だけが上納金払えってこと!!ナイン!ナイン!ナイン!」と怒らせておりましたが、火に油を注いだ状態になってしまった気がいたします。

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谷本 真由美(たにもと・まゆみ)

NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。