KDDIと米Mozilla Corporation(以下、Mozilla)は2013年2月25日、Web標準技術を用いたモバイルプラットフォーム「Firefox OS」を搭載したスマートフォンなどの端末の、日本市場への導入に向けて両社が協力すると発表した。またFirefox OSの機能向上のために、KDDIがソースコードを作成するなどの貢献(コントリビューション)をすることも併せて公表した。
▼バルセロナで開催されたMozillaのプレスイベントでは、Firefox OSのパートナー企業が一堂に会した。右から4番目がMozilla CEOのGary Kovacs氏、左から3番目がKDDIの石川雄三取締役 執行役員専務。
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Firefox OSは、Mozillaが提唱するオープンなモバイル端末向けプラットフォーム。HTML5とWeb標準技術を用いることで、既存のモバイル端末向けプラットフォームに縛られることなくオープンな環境で端末やサービスが開発できる。Firefox OS はWebアプリケーションの実行に最適化したシンプルな構成を採るため、システムの柔軟な拡張性が得られるという。今回の発表でKDDIは、Firefox OS搭載スマートフォンの導入に向けた検討を進めることをアナウンス。フィーチャーフォンや既存のスマートフォンでカバーし切れていないさまざまなユーザーニーズに、シンプルで拡張性に富むFirefox OSで対応することを目論んでいる。
▼Firefox OSを搭載したZTE製のスマートフォン。当初の端末ベンダーとしては、ZTEのほか、Alcatel、LG、Huaweiの名前が上がった。
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KDDIとMozillaの協力は、スマートフォン端末の日本市場導入に限られたものではなく、Firefox OSの機能向上にも向けられる。KDDIはFirefox OSに各種の機能を追加するためのソースコードを作成し、Firefox OSのさらなる進化に貢献を予定している。具体的には、ユーザーが意図しないデータ通信を抑制する「データ通信の最適化」や、データ保護を目的とした「セキュリティ機能の強化」、青少年保護の「ペアレンタルコントロール」を主なターゲットとする。オープンソースOSへの開発貢献は端末メーカーの技術者によるものが一般的だが、KDDIは通信事業者のノウハウを生かしてOSの機能向上に取り組む。両社の協力関係構築により、各種機能がFirefox OSに搭載されるだけでなく、Web技術の標準化団体であるW3C(World Wide Web Consortium)への提案も期待される。
国内ではKDDIとMozilla Japanが協力体制を採る。国内でのFirefox OSの技術支援や普及活動を推進するほか、Webアプリケーションのエコシステムの活性化にも協力して取り組む。
【関連URL】
・Firefox OSが生み出す"面白さ"で「選べる自由」を拡げる KDDI石川取締役インタビュー(TIME&SPACE ONILINE)
・Firefox が Mobile World Congress 2013 に出展(mozilla.org)
・「Firefox OS」搭載端末の導入に向けた取り組みについて(KDDI 報道発表資料)
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