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充実したソリューション展示が目を引くNECブース

2012.03.02

Updated by Naohisa Iwamoto on March 2, 2012, 09:59 am JST

「MWC 2012」のNECブースは、常に来場者で混雑していた。NECカシオモバイルコミュニケーションズのスマートフォン製品などもブースの外壁に展示しているが、ブース内はソリューションやインフラの展示がところ狭しと並んでいる。それらのアピールが来場者に伝わっているようだ。

ソリューションとしては、スマートフォン活用のためのサービスや、ヘルスケア、M2M、教育など、多方面の展示があった。スマートフォン活用としては、セキュリティー管理や動画サービス提供時のトラフィック最適化、加速度センサーを使ってステータス情報を自動生成するアプリケーションなど、複数のデモを組み合わせて紹介していた。

▼見守りソリューションの展示。左が動きを検地するセンサー、中央が電力センサーで、ZigBeeを使って右のアクセスポイントに情報を伝達する。アクセスポイントからインターネ経由でシステムが情報を入手する
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また、ヘルスケアでは、欧州などでも進む高齢化に対応した遠隔見守りソリューションや看護師向けのソリューションを展示した。高齢者見守りのデモでは、センサーで冷蔵庫の開閉やテレビのオンオフを自動的に検知し、システムが生活パターンを学習・認識。生活パターンから外れた状況になった際には、子どもの元にメールで通知することができるというものだ。

▼M2Mのトレーサビリティソリューションのデモ。加速度などのセンサーを備えたICタグを輸送中の品物と同送し、ICタグ情報から基準値を超えた衝撃の情報を検地したため、「×」の表示が表れている
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M2Mのソリューションでは、アプリケーションやデバイスとの間にインタフェースを構築したM2Mプラットフォームの提供を説明。デバイスやM2Mアプリケーションに依存しない形でプラットフォームを提供することで、利用の幅を広げる提案をしている。デモとしては、モバイル端末の位置情報から周辺のオススメスポット情報をリアルタイムで提供し続けるイベントジェネレーターや、センサー付きのICタグの情報をチェックして輸送中の品質管理を行うトレーサビリティのソリューションを紹介していた。説明員は「具体的な利用法を提示することで、M2Mプラットフォームが持つ意味を理解してもらいやすくなってきた」と出展手応えを語る。

▼繁華街の通りなどの重点的なエリア化に適した「LTE small cell」
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このほかにも展示は多くあった。インフラ周りの一例としては、限られたエリアに対して効率的にLTEのサービスエリアを構築できる「LTE small cell」の機器の展示があった。LTEのサービスエリアを、トラフィックの高い「通り」などに限定しつつ低コストで迅速に作れるソリューションで、来場者が多く注目していた。LTE small cell用の小型のLTE基地局装置は、マクロセルと協調するHetNetや、自律的にネットワーク設定ができるSONに対応する機能もすでに備えているとの説明があった。

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。