日本はノマドワークに関してもガラパゴス諸島の様です。今週掲載されたComputerworldのAPAC内で取り残される日本のテレワーク事情、調査で明らかにという記事で、そのガラパゴスぶりが明らかになっています。
仮想化ソリューションのVMwareの調査では、日本はアジア太平洋地域の中でも会社におけるBYOD(私物デバイスの業務利用)の導入割合や、業務用デバイスの外部への持ち出しが禁止されている割合が驚くほど高いのです。他の国では80−90%が認めているのに対し、日本では20%前後です。
この調査結果、面白いのは日本以外のアジア諸国の動向は、ヨーロッパの企業と似ているという点です。例えばイギリスの場合は、約70%の会社がBYODを認めており、禁止しているのはたった29%です。
調査会社のOVUMの調査結果を見ると、先進国では44%ぐらいの企業がBYODを認めており、新興国だと70%超がBYODを認めています。新興国ではビジネスの成長や仕事が進むスピードが速いため、BYODを認めてどんどん仕事するという傾向がある様です。
BYODを認めるポリシーやガバナンスの仕組みがあり、実現するソリューションが入っているということは、当然自宅やオフィス以外からの仕事も可能なので、様々な場所で仕事するという「ノマドワーク」が可能なわけです。しかし、日本の場合は、そもそも大半の企業がBYODすら禁止しているわけで、ノマドワーク何もないわけです。
日本では、やたらと「日本の職場には調和がある」「日本人は連帯する」「日本人は真面目だ」と言う人がおります。日本は豊かな国ですから、技術的、資金的には可能なのに、「セキュリティの問題があるからBYODは禁止」「セキュリティの問題があるからノマドワークを認めない」ということは、要するに日本の会社というのは同僚も部下も上司も信用していない相互不信の人間の集団ということですね。
たった20%の企業がBYODを認めている日本と、40%が認めている世界の企業、70%以上が認めているアジア太平洋やイギリス。
遅れているのは一体どこの国でしょうか?
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