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ナイジェリアでは日本製が全然人気がない件について

2013.03.27

Updated by Mayumi Tanimoto on March 27, 2013, 10:57 am JST

ワタクシの仕事関係のお友達の一人はナイジェリア出身の方であります。イギリスにはナイジェリアからイギリスに留学してそのまま就職しちゃった方が結構おりまして、技術者や金融の専門家がわらわらとナイジェリアコミュニティを形成しております。

ナイジェリアでは裕福になる中流層がドンドン増えており、消費ブームが巻き起こっています。かつてナイジェリアで裕福なのは石油業界と政府に関わるごく一部の人でしたが、 1999年に軍事政権による支配が終わると、金融や小売り、通信などで次々とビジネスが立ち上がり、専門職が増え、中流階級が激増します。現在、国民の四分の一位が中流階級で、月に480米ドル から645米ドルを稼いでいます。日本円にすると5−6万円という感じでしょうか。外資系の会社に勤めると、先進国の専門職と変わらない給料を得られる場合もあります。

激増している中流階級はお買い物熱心です。ナイジェリア人はイギリスにやってくる外国人観光客のうちお金を落としてくれる金額が第四位で、旅行者一人当たりが買い物する金額は500ポンド(7万円ぐらい)です。昨年は14万人ものナイジェリア人がイギリスを訪れましたが、前年比50%増です。

イギリスにやってくる理由はブランド品のお買い物です。ナイジェリアだと選べる品物の数が少ない上、偽物が出回っているので、わざわざイギリスまでお買い物にやってくるのです。30年位前の日本みたいですね。

中流層の増加を見越して、アメリカの会社も進出しています。Johnny Rockets、KFCなどのアメリカのレストランやファーストフードはどんどん上陸しており大人気。ちなみにKFCでちょっとフライドチキンを食べると2000円ぐらいかかります。アメリカのスーパーであるWalmartは50店舗出店予定です。

仕事関係の方曰く、ナイジェリア人にとっては「新しいものを体験して俺ってクールとアピールすること」が重要なので、多少高くても気前よくお金を払うのだそうです。(要するに見栄っ張りらしい)食費や家賃を削って携帯やブランドグッズを買う若い人も増えています。

ナイジェリアで人気急上昇中のネット通販サイトであるJumiaを見てみると、先進国で人気の機種がずらっと並んでいます。しかし、携帯をみても家電を見ても、日本製の影が薄いどころかほとんど並んでおりません。売れ筋はサムソンなどの韓国勢やAppleであります。うーんまさかここまで存在感が薄いとは思いませんでした。

Jumiaはナイジェリア、モロッコ、エジプト、ケニアで事業展開するネット通販サイトで、別名「北アフリカの偽Amazon」と呼ばれています。サイトのデザインもなんとなく似てますね。。。。ナイジェリアのJumiaは日本みたいな代引きサービスもあったりします。カードを持っている人が多くないからです。各国で売れているもの、広告の出し方なんか見ているとお国柄が出ていて面白いです。

ちなみに、この会社にはイギリスやらアメリカのベンチャーキャピタルがガンガン投資をしております。怪しい会社ではなくって、アメリカの超一流大学や超有名MBA持っている皆さんのやってるベンチャーキャピタルです。

日本の会社が「新興国は何か凄いらしいよ。ごにょごにょ。でも良くわかんないし。ごにょごにょ。なんか怖いし。ごにょごにょごにょ」と言ってる間に、アメリカやイギリスの強欲な皆さんはどんどんお金を突っ込んで、イケイケドンドンで稼げ稼げとやっているわけです。そして韓国の会社も洗濯機やら携帯やらバンバン売り込んでいるわけです。

日本の会社にはもうちょっと頑張って欲しいですねえ。まあでも、いまさら英語公用語化がどうとかいってる段階なので無理でしょうけど。

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谷本 真由美(たにもと・まゆみ)

NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。