FDD-LTE とTDD-LTE、両ネット間でトラフィックのオフロードとロードバランシングを実現
2013.03.18
Updated by WirelessWire News編集部 on March 18, 2013, 00:03 am JST Sponsored by NOKIA
2013.03.18
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隣接する基地局のセルの境界線上、いわゆる「セルエッジ」では、端末のスループットが思うように得られないことが多い。このセルエッジの問題と、TDD-LTEとFDD-LTEが共存するネットワーク環境での相互運用性に着目したデモがMWC 2013のノキア シーメンス ネットワークスのブースにあった。FDD-LTEからTDD-LTEへのオフロード(参考情報)と、双方のロードバランシングを実現する技術の展示である。
▼左がTDD-LTE、右がFDD-LTEのセルを示す。FDD-LTEのセルエッジに端末がある。FDD-LTEのトラフィック負荷が高く、スループットが低い状態。TDD-LTEは負荷が低く、高いスループットが得られている。
デモの内容を説明する。FDD-LTEとTDD-LTEのセルが隣接している状況が設定されている。FDD-LTEのセルは利用者が多くトラフィックの負荷が高い状態にあり、TDD-LTEのセルには利用者が少なく負荷が低い。当初の状況ではFDD-LTEの端末は4Mbps程度のスループットしか得られておらず、一方のTDD-LTEの端末は20Mbps近いスループットが得られていた。ここで、FDD-LTEとTDD-LTEのセルエッジに位置し、シグナルの強度が若干強いためFDD-LTE側にいる端末の接続を、強制的にFDD-LTEからTDD-LTEのネットワークに切り替える。こうすることで、FDD-LTEのトラフィックがTDD-LTEにオフロードされ、両ネットワーク間のロードバランシングが実現できるというわけだ。
▼中央のセルエッジにいる端末をTDD-LTEにオフロードしたところ。図中の赤い指針がオフロード後、グレーの指針がオフロード前の常用を示す。オフロードした端末のスループットが大幅に向上している様子がよくわかる
デモでは、ロードバランシングの実行後、TDD-LTEに接続してトラフィックをオフロードした端末が、FDD-LTEに接続していたときの約4.5倍の18Mbps程度のスループットを得られたことを示していた。元々TDD-LTEを利用していた端末のスループットは若干下がったが18Mbps程度の高い値を残している。一方で、FDD-LTEに残った端末は、ロードバランシングの結果として4Mbpsから6Mbpsへと約1.5倍のスループット向上効果が得られたことを示した。
このロードバランシングは基地局のソフトウエアで実現する。基地局がセルエッジにいる端末を認識し、個別の端末に対してTDD-LTEへのオフロードを実行するという。端末は、FDD-LTEとTDD-LTEのデュアル端末があれば、端末側の改修の必要はなく、基地局のソフトウエア更新だけでサービスを提供できる。国内外で1つの通信事業者グループにFDD-LTEとTDD-LTEのネットワークが共存するケースが見えてきている。そうしたケースに、有効なトラフィックのロードバランシング策になるとの説明があった。
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