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シャラップ上田様事件は学びの宝庫

2013.06.11

Updated by Mayumi Tanimoto on June 11, 2013, 21:15 pm JST

先週はフランスにおりましたが、日本では外務省の上田人権人道大使様が、国連の会議で「しゃらっぷ、しゃらっぷ、どんとらふ!!」と怒鳴りつける動画が拡散し、ネットでは祭り状態になっておりました。

上田人権人道大使様とお呼びするのは面倒なので、ワタクシは、上田大使にシャラップ上田というニックネームを付けさせて頂くことに致しました。ラッシャー板前、江頭2:50、エンペラー吉田、アッハー浪越、など、ワタクシが尊敬する芸人の皆さんよりインスパイヤネクストなネーミングでございます。

「しゃらっぷ、しゃらっぷ、どんとらふ!!どんたこす!!」がなぜまずいのかと申しますと、英語圏では単に「静かにして下さい」という意味ではありませんで、「黙れこのクソ師ね!!!!」というデトロイトあたりのギャングスタラッパーの皆様がお使いになるお言葉でありまして。

場面的には「へい、よーめん!!しゃらっぷ!!!YO!!!!」とアメリカ人様お得意の拳銃などを手にして、相手様を銃撃せんとする場合に発射するお言葉であります。一言で申しますと、「ふぁっくゆー」というお言葉と大体同じ意味です。

ワタクシも一時期国連専門機関に所属しておりまして、会議などを遠目にみておりましたが、あそこに来る人々、また、あそこで働いている人々というのは、三か国語とか四カ国語ベラベーラという人が、まあ普通でありまして、英語がデフォルトの標準言語なので、英語がダメダメという方はおりません。ゆあえくせれんしー、とか、ゆあはいねす、みたいな方が大勢おりまして、末端で現場仕事に従事する人間も英語圏の博士号とか修士号を持っておりまして、実家は鉱山持ってるとか、貴族の何とかだとか、まあそういう場所です。

従いまして、公式な場で「ふぁっくゆー」とは言ってはいけません、という、小学生レベルの常識は一応あるのであります。

さて、そのうち大川興業に転職するのではないかと思われるシャラップ上田様の事件は、国際的ビジネスマン、グローバル人材を目指す通信業界の皆様への示唆に富んだものであります。

まず、最初の学びは、こういう国際会議や公的な場で、自分の所属する組織や自分の弱い部分を指摘されたらどのようにレスするべきかです。怒ったら負けです。相手はわざと怒らせる様なことをいって、反応を見ているわけです。反応で人間性をみるわけです。従って、大事なのは反応の仕方です。

シャラップ上田様は、あの場では、日本に対する突っ込みを最後までじっくり聞き、あくまで冷静に「あいでぃすあぐりーういずゆー」と言って、その後、淡々と日本はどのような人権国家であるか、という論拠を述べれば良かったわけです。冷静に、淡々と、さらに、エレガントに、というところがポイントです。

冷静に対処できるということは、「この人間は感情のコントロールができる」を示すわけです。感情コントロールは、この様な国際的な場や、特に欧州の組織においては、プロとして働くにあたっての基本的な「スキル」です。英語の文法が多少間違っていてもかまいません。大事なのは態度、そして、異なる意見を持った人に対する尊敬です。さらに、ユーモアを交えて返答できたら最高です。ユーモアセンスは頭の回転の速さと、心の余裕を示すからです。

次の学びは、それなりの立場にある方が、多国籍な場で英語で仕事をやる場合は、最低限のマナーについて学んでおかなければならない、ということです。マナーを知っているかどうかで、その人の品格、教養というものがバレてしまいます。これは、いくらTOEICをやってもわかりませんので、本を読むなり、映画を見るなりして学ぶべきでしょう。案外大事なことです。

国際会議で「ふぁっくゆー」などという人は、会社の入り口を通して頂けません。組織によっては懲戒になることもあります。お友達同士の軽口ではなく、国際会議でありますので。

しかし、シャラップ上田様の事件に関して一番の突っ込み所は、会場にいた皆さんが「ぐわっはっはあ」と笑っていた理由は「みどるえーじ(中年)」と言っていた部分でありましょう。大使が発するVow!ネタであります。

あそこでは「ほーっほっほっほ、おっと、私は熟年で中年ではありませんし、ジャパンには鋼鉄の処女はありませんので中世ではありません」という突っ込みを入れて頂きたかった気がいたします。

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谷本 真由美(たにもと・まゆみ)

NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。