イギリスにおけるネット選挙運動についてあれこれ真面目に書いておりますが、2010年の総選挙で「実は真面目な選挙サイトよりも数万倍影響力があった」とされているものがあります。
それは
政治家のコラ画像サイト
です。
イギリスのWebデザイナーであるClifford Singerさんが立ち上げたMyDavidCameron というコラ画像サイトは、どの政党ともメディアとも一切関係がない嫌がらせ趣味サイトです。ユーザーがPhotoshopで加工したコラ画像をサイトに発表することができるサイトです。6週間で25万人を越えるユニークユーザーが訪問し、約1200のコラ画像ポスターがアップロードされました。このサイト、TwitterやFacebookであっという間に広がり、テレビや新聞にも取り上げられました。元々保守党のキャメロン氏の選挙ポスターのフォトショップ加工が酷すぎると話題になり、それをネタに盛り上がろう、というのがサイトの発端でありました。
なお、保守党および他のイギリスの政党はこのコラ画像サイトに怒らなかったばかりか、ちょっと気の利いた返答をしたりしておりました。日本の政治家さんにもこの様におおらかに対応して頂きたいものです。
以下、イギリス政界を震撼させたコラ画像の数々です。
「だからフォトショで加工しろといったべや!!」
(Photoshopで加工しすぎたキャメロン首相の写真がネタ)
「私の友人の何人かは超貧乏です」
(キャメロン首相は大金持ちの息子で妻は貴族筋だが貧乏な友人もいると主張しているのを揶揄)
「俺一回も経済の勉強したことないんだけどデビットが経済を何とかしろというんだよ」
(経済音痴ぶりの揶揄)
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